未来をつくるデジタルプラットフォーム×次世代クリエイション/パート1

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ワールドの成長戦略の大きな柱の一つ、デジタル事業。ファッション業界の移り変わりと共にファッションとデジタルの関係はどう変化し、どう進化していくのでしょうか。今月の特集は、「未来をつくるデジタルプラットフォーム×次世代クリエイション」と題して、ワールドのデジタル事業について3回に分けて掘り下げていきます。パート1では、Dビジネスユニットのメンバーにこれからのワールドのデジタル事業の戦略や背景について伺いました。

左から、株式会社ワールド D-GROWTH戦略本部 副本部長 兼 Dビジネスユニット ユニット長 池上貴尉さん、加藤圭介さん、山下直輝さん
 

デジタルネイティブ時代に生まれた3つの柱

ファッションとデジタル、特に販路としてのECは昔からありますが、ここ数年のマーケットの変化に伴い、その役割も変化してきています。これまでのアパレルは、企画→デザイン→生産→分配→各店舗で販売という大きな流れがあり、その流れの延長上にある販路のひとつとしてECがあるというモデルが一般的でした。店舗で販売することを中心に考えた商品をそのままECにのせているので、サイトのデザインや見せ方によっては大量の商品がランダムに並んでいるように見えてしまいます。でも、デジタルネイティブ時代の今、ECは販路の1チャネルという枠には留まらず、新たなサービスへと進化してきています。デジタルネイティブで生まれたECサービスは「店舗で売る」というこれまでの前提に捉われない商品づくりやサービスが特徴です。

例えば、メルカリ。若い世代を中心にユーズドの商品を買うことへの抵抗は減っており、しかもサステナブル、エコという側面からもマーケットは伸びてきています。

次に、ソーシャルクリエイターの存在。これまでは会社に所属し、そこでブランドを立ち上げたり、基礎を学んだ後に独立するというやり方がメジャーでしたが、SNSの発展と共に若い世代のクリエイターが顧客と直接つながれる環境になり、D2Cが台頭してきました。

さらに、カスタマイゼーション。個々のユーザのニーズに合わせてOne to Oneのサービスや商品を手軽に提供できるシステムが生まれ始めています。 デジタルマーケットがスピード感をもって多様に進化していく中で、ワールドのデジタル事業の大きな柱として生まれたサービスが “シェアードリユース”“クリエイターズプロジェクト” “カスタマイゼーション”の3つです。

分かち合い、再循環させるシェアードリユース

在庫の中で残ったものやお客様がご不要になったものを再循環し活かす、サステナブルな取組みです。具体的には、ブランド古着の買い取り・販売を行うユーズドセレクトショップ「RAGTAG」(ティンパンアレイ)やオフプライスストア「&Bridge」(アンドブリッジ)、サブスクリプション型のファッションレンタルサービス「SUSTINA」を展開するオムニス社との取り組みや、ブランドバッグレンタル「ラクサス」(ラクサス・テクノロジーズ社)などが挙げられますが、ワールドではそれぞれの事業をつないでいくということ視野に入れています。

RAGTAG店舗
&Bridge店舗

ブランドバッグレンタル「ラクサス」
ファッションレンタルサービスSUSTINA

例えば、市場からの買い付けによってMDを組み立てる「RAGTAG」のノウハウは、オフプライスストアの「&Bridge」で活かされています。また、「ラクサス」がグループに参加したことで、バッグを含めたトータルコーディネートの提案をワールドグループの既存ブランドや「SUSTINA」と連携していける可能性も出てきました。それぞれの事業が連携することで、さらに奥行きのあるファッションの楽しさを提案するプラットフォームをつくっていくことも今後の視野に入れています。

個のニーズに応えるカスタマイゼーション

「あるものの中から選ぶ」のではなく、「好きなものをカスタムしてつくる」というように、在庫を持たずに展開するカスタマイゼーションのサービス。ワールドグループでは、カスタムシャツのオンラインオーダーサービスを展開する「オリジナルスティッチ」(オリジナル社)やセミカスタムオーダーを手がける「アンビルト タケオキクチ」(エクスプローラーズトーキョー)等の事業が挙げられます。オムニス社と共にシステムを構築しているアンビルト タケオキクチの仕組みは、今後ワールドグループの他ブランドにも展開する可能性も視野に入れながらアップデートしています。

オリジナル社が展開するポケモンシャツ
アンビルト タケオキクチ 渋谷店

個を活かすクリエイターズプロジェクト

ソーシャルな時代で存在感を増している“個々のクリエイターをインキュベーションする事業”です。昨年6月に資本・業務提携をしたクラウドファンディングプラットフォームを運営するCAMPFIRE社やbig社と連携し、ワールド北青山ビル地下1階にあるラボの活動やアワードプロジェクト、その他サポートシステム構築の活動などが挙げられます。

bigデザインアワード授賞式の様子
独特の緊張感が流れるバックステージ

アワード(発掘)→ラボ(制作)→展示会(発表)→EC(販売)→イベント(機会創出)というように、発掘からその後のサポートまでをワールドのソリューションを使ってトータルで提供していくことはもちろん、今後は場の提供に留まらずワールドグループの生産チームのノウハウ面からもクリエイターをサポートすることを視野にいれています。今年の夏にワールド北青山ビルで開催された「bigデザインアワード」のファイナリストに選ばれた「リコール(Re:quaL≡)」の土居哲也さんは、その後ラボでの活動を開始し、その活動が今年の秋に開催されたファッションアワード「TOKYO FASHION AWARD」での受賞につながっています。開設して間もないですが、この場所は他のブランドのクリエイターの方とワールドメンバーがつながり、刺激を与え合うクリエイティブなコミュニティスペースになりつつあります。

チャレンジし続ける、ワールドのカルチャー

これらの新たなデジタル事業を仕掛けていくことについて、Dビジネスユニット ユニット長の池上貴尉さんに伺いました。

他社の方から「ワールドはどうして新しいことに次々とチャレンジできるのか?」という問いを頂くことがありますが、一言で言うと、カルチャーなのだと思います。マーケットの変化や時代の風を読み、そこにマッチする業態をつくっていくことを積極的にやってきたのがワールドです。百貨店、駅ビル、SC等、マーケットにはそれぞれ波がありますが、その時々でニーズに合わせて開発し、結果的に多業態多ブランドを展開してきました。デジタル事業へのチャレンジも次のトレンドを読み、いち早くトライアルをするというカルチャーがベースにあって推進しています。時代に合った新しい価値をつくっていくこと。そのチャレンジができるのは、卸から始まりこれまでの60年間で積み重ねてきたノウハウがあってこそです。ベンチャー企業と組んでJVを設立したり、事業を立ち上げたりという新たなチャレンジをする時のDビジネスユニットの役割は、新たな事業と既存の事業のシナジーを持たせ、グループ全体の成長につないでいくためのハブだと思っています。業務で直接的な関わりがなくても近くにいます。ぜひ、一緒に盛り上げていきましょう!

OUR TEAMもチェック!

グループ企業やチームをクローズアップして強みと魅力に迫る「OUR TEAM」では、特集と連動して、Dビジネスユニットを紹介。メンバーのコメントも掲載しています。こちらも、ぜひ合わせてご覧ください。

次回パート2ではbig株式会社 代表取締役社長の中島真さんとDビジネスユニット ユニット長の池上貴尉さんとの対談の模様をお届けします。こちらもどうぞ、お楽しみに。

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