10年目の3.11

好き

3月11日

この記事を書いているのは3月11日です。

東日本大震災の10年という節目にあたり、あちこちで思い出したかのようにメディアが特集を組んでいます。
ワールドも私自身も阪神大震災を経験しています。復興は1日してならずどころか10年を経てもまだスタートラインであることを身をもって体験していますが、実際その現場で筆舌に尽くしがたい苦難に直面した方々、いまなお復興に向き合い続ける方々について語るべき言葉はなかなか見当たりません。

当時の私は日本航空の再生に奔走していた時期で、沖縄の航空子会社に毎週のように出掛けていた日々でした。
正直数字は達成しているけれど、相変わらずの縦割りや過去踏襲、足の引っ張り合いも多く、なかなか再生への確実な糸口をつかみきれない頃でもありました。

そして、3月11日。
陸路は寸断されて殆どの空港は津波で流されました。

その瞬間から、人材・物資が足りない被災地、東北に封じ込められた人々を脱出させるために、何としても飛行機を飛ばす。ただその圧倒的な使命感が全社に漲っていました。

目先の数字や縦割り組織の利害を越えて、驚異的なスピードで、唯一残った山形空港から臨時便を翌12日には開始していたと記憶してます。
勤務制約のあるパイロットが地上の仕事を申し出たり、後払いでも構わないので乗せたりと、従来では考えられない判断があっという間に積みあがっていきました。

航空会社としての原点は、お客様のために遠く離れた地点を結び、人と物を運ぶこと。
そのために関連部門、取引先など多くの人々に支えられて、いま自分たちがあるのだと、心の底から再認識した瞬間であり、真の再生はあの瞬間から始まったと振り返って思います。
未曾有の危機は、一歩間違えば破滅に向かいますが、バラバラのチームを一枚岩にすることにもつながります。

私たちの原点はなんでしょうか?

1年以上続くコロナ禍のなかで、わたしたちの商品、店舗、サービスは、社会が前を向くための心の華やぎを提供することをド真ん中に置いているでしょうか?
災厄の形は違えど、遠くない未来に振り返ったとき、私たちも原点に立ち返って、新しい時代に向けて走り始めたときだったと思いたいものです。

春が近づくこの時期に、いま自分たちが生かされていることを改めて噛み締めつつ、黙祷。

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