読書について
新年度です。ワールドグループにも新たなメンバーを迎えました。
この時期は自分が新人だった頃を思い出し、良い一年にするぞ、と誓います。
阿部 あゆ子です。

皆、様々なリフレッシュ法や、やる気を引き出す方法があると思うのですが、
私の場合は読書で、同じ本を何度も読みます。アロマテラピーには詳しくないのですが、
その時の気分で香りの感じ方が違うとか。本も同じ。
でも最近は読んだ内容を忘れちゃうというのもあります。
同じく本好きな父が「忘れるって、何度も楽しめてお得だ」と笑っていたことを思い出します。

昭和初期の作品が好きです。戦争を挟み、苦しい時代に逞しく生き、弱さをさらけ出すような文章には勇気づけられます。
と、文学少女(元)の様に書きましたが、やっぱり作中の食べ物や作家の好物が気になって。
太宰ファンにはたまらない奥様の回顧録、津島美知子「回想の太宰治」に、太宰の実家 津軽金木町で出された
種を取り除いた紫蘇(シソ)巻き梅干しが書かれています。
この様なものだったのかな。
そのほか、太宰が好物だった「わかおいおむすび」は、目を閉じて頬張れば磯の香りが広がり、そこはもう、津軽。


あぁ、食べる事ばかり。そんな時はこの一文を読み、自分の卑しさをいましめます。
「東京の人は、どうも食ひ(い)物をほしがりすぎる。私は自身古くさい人間のゐか、
武士は食わねど高楊枝なとどいふ、ちょっとやけくそにも似たあの馬鹿々々しい痩せ我慢の
姿を滑稽に思ひながらも愛しているのである」
余談ですが、電子ブックって便利ですよね。
例えば太宰全集に「津軽」と入れると379回使っています。
そのほか、
美しい→262 原稿→214 幸福→200 綺麗→194 絶望→76
ご本人にお伝えしたいです。どう思うかな。
素直じゃない反応が返ってくることを望みます。わかおいおむすびを食べながら、お話ししたい。
本当は「津軽」の倍以上使っている言葉がふたつあります。
でも新年度に相応しくないので、それはまたつぎの機会に。

次回は石平 賢太朗さんが書きます。
お楽しみに。






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