“とにかくファッションが好き”
30万点を循環させるプロフェッショナルの力「ラグタグ」の拠点 国立商品センター
「ラグタグ」の心臓部 商品センターに潜入
東京都 多摩地区に位置する国立市、JR南武線「谷保」から徒歩15分ほどの場所に「ラグタグ」の心臓部といえる商品センターがあります。各店から入荷した買付商品が、ささげを経て再び出荷される「ラグタグ」の流通拠点です。1階では入荷→タグ付け→真贋チェック→ささげ(撮影から商品情報入力)→出荷まで一連の業務と必要に応じて行う商品リペアやカスタマーセンターの機能を有しています。2階、3階にはメンズ、レディース商品をモードやカジュアルに分類。キッズや多数のバッグやシューズなどの雑貨までが整然と並びます。今回はMOVING編集が職種の異なる4名にインタビューをしました。
全員から発せられる「お客様のために」という言葉




ファッションが好きだから、仕事の隅々までお客様に「誠実」に 事業推進チーム 中島正樹さん

新卒では、メンズカジュアルのメーカーに入社しました。とにかくファッションが好きで、ちょうど原宿で様々なストリートファッションが生まれていた時期です。メーカーを経て、「ラグタグ」に入社したのがもう20年以上前になります。
入社後は皆店頭からスタートします。カスタマーアシスタント(販売員)を経て、バイヤーになるまで試験を繰り返し、スキルを身に付けていきました。当時から「ラグタグ」は本人のキャラクターやテイストに沿って店舗を決めていて、自分は竹下通りにあった原宿店勤務になりました(現在はキャットストリートに移転)
原宿店の後初の地方店舗となる仙台店のオープン準備と共に転勤し、バイヤーを担当しました。その後商品センターへ。当時は有明にありました。現在の業務は「メンズカジュアル」担当として、店に商品を揃える為のピッキングが中心です。数量を毎日確認しながら、相応しい商品をセレクトしていきます。
―― 店頭の鮮度を保つ大切な役割
店頭には「インデックスブランド」として、ブランドを指定したものと、アイテム毎の不足数に沿って選ぶものがあります。更にある程度時間を経た後、店舗から戻ってきた商品の確認も。 店頭の鮮度を保つ大切な役割です。
ファッションが好きで、毎日服に触れられて、仕事と趣味を兼ねていると思っています。もちろん、欲しいものもあります(笑)でも、裏原系ブランドの時代によく言われた、いわゆる「身内抜き」はしないルールです。言うまでもなく、お客様の「欲しい!」が一番大切なこと。「ラグタグ」は常にお客様最優先です。
「お客様にファッションを楽しんでいただくために、自分の業務で何ができるか」を常に考えていますし、大切なのは「誠実」であること。真贋チェックはもちろんですが、ユーズドですから、コンディションの状態も細かく商品タグに記載をします。この積み重ねこそが「ラグタグ」の信頼を築いていると考えています。

自分に求められているのは「改善」すること ささげチームリーダー 柴田智道さん

学校卒業後は全く違う業界に入社しました。およそ3年務めたのち転職活動をして、派遣先として紹介を受けたのが「ラグタグ」でした。元々ファッション、中でも古着が好きだったので、これも出合いだと思い入社。センターで勤務する中で先輩に声を掛けていただき社員となり2年目になります。
ささげチームは、とにかく毎日多数の商品情報をどれだけ更新できるかが重要です。現在はおよそ1,600点を、シフトもありますが15~20名で行っています。お客様から買取りをした商品は1点物ですから、異なる商品情報をどうしたら効率的に、しかもこれから購入いただくお客様が知りたい情報が網羅できるかを常に考えています。自分達の業務が店頭やEC販売の要になりますから。

1日の入力数、1,600点を更に増やすにはどうしたら良いか、ただただメンバーに「数をこなそう」と言うだけでは仕組みにならない。リーダーとして自分にはその改善が求められています。そこでエクセルで独自に入力ツールをつくりました。「採寸ジェネレーター」と呼んでいます。
―― 改善に手応え、でも更に続ける
入荷して付けた品番を入れると、ひとつの画面で完了する様とにかくシンプルに仕上げ、未入力の箇所も一目でエラーがわかる様にしています。導入したことで点数は上がり手応えを感じています。これが完成版ではなく、スタッフの意見はもちろん、求められる商品情報やトレンド等のニーズに合わせて改善を続けていきたいと思います。もちろん他社のサイトを見て参考にすることもあり、「この撮影方法は良いな」などと情報を集めてアップデートしていきます。
ささげ業務においても、「全てお客様のために」という考え方は同じです。お客様が必要な商品情報は何だろうと考えれば、常にやるべきことが明確になってきますし、どの業務でもやりがいに繋がります。
センターではお客様の顔は見えない。だからこそ、1点1点に思いを馳せる 前多勇大さん

ファッションの専門学校を出て「ラグタグ」に入社、国立センターに移転する前から務めています。学校の先輩が「ラグタグ」で勤めていたのも入社したきっかけとなりました。それから13年在籍しています。
現在は商品の振り分け、タグ付け、リペアまで物流全体を担っています。
店頭でバイヤーが買取り、値段が付けられた商品が入荷したのち、倉庫に入ったものをPCで入力しタグを発行し、ひとつひとつに付けていくことから始まります。値付けの標準は決まっていますが、コンディションなどで倉庫に入ってからの調整もあります。当然ですが商品はブランド名もアイテムも様々な1点物。そこに「ラグタグ」の品番が付けられ、以降「ラグタグ」の商品としてささげやECに回っていきます。商品情報が入力されたものはセンターの2階、3階にストック、その後ECサイト用のピッキングと仕分けへと続きます。
―― 全ての商品がまずはオンラインへ
ここ数年「ラグタグ」はECに力を入れており、まずはすべての商品をオンラインに掲載します。ですから全ての商品がまずはオンラインで見られるということです。そして商品を店頭に出荷をする際は、店頭に並べる為のタグと防犯タグも付けて、商品を見送ります。店頭では並べるだけの状態にして送り出す大事な役割です。これら1連の流れを日々行うわけですが、その中で1点1点を大切に扱い、状態もチェックするなど細やかな視点も大切です。
ピッキング業務では倉庫内を動き、商品を探し、選び、運ぶための体力もとても大事。たくさん歩きますよ。毎日の業務の中で、お客様と自分が直接接することはありませんが、これらの商品をお客様に届けることをいつも想定して業務をしています。自分たちがファッションが好きだからこそ、ファッション好きのお客様の気持ちにも寄り添える。皆そう考えていると思います。
丁寧な仕事から生まれる信頼の積み重ねが「ラグタグ」ファンをつくっていると思います。

賞味期限は無いけれど、服は生物。値付けや管理は経験値が要 有竹紀代美さん

文化服装学院を卒業後、契約社員を経て正社員へ、前のセンターから統括する立場となり、国立への移転作業の仕切りも行いました。これまで3つのセンターを経験しています。
センターは年末年始を除き、土・日も稼働し、各店を繋ぐ出入荷とECの発送を行っています。全員で150名ほど、その中でそれぞれの働き方に沿ってシフトを組み、マネジメントをしながら経理、採用や納品まで全ての業務を見ています。また「ラグタグ」が力を入れているポップアップの品揃えや準備にも携わります。
―― メンバーは、代わりが効かない大切なプロ集団
センター内には常時およそ30万点の在庫があり、入荷からささげ、ECまでの一連の業務が1階に凝縮されています。
30万点、しかも1点1点異なる商品、これだけの量を扱うのは、ファッションという移り変わるトレンドや知識を常に更新していく知識に加えて体力も大事。メンバーは、誰一人として代わりが効かないプロ集団です。 プロとして商品を届ける責任 と 「商品管理はお客様のために」という気持ちは、あらゆる業務や立場において私たちの共通の想いです。
ファッションが好きなメンバーがとても多く、メーカーだとそのブランドが好きで入社する方も多いと思いますが、「ラグタグ」はそれを超えていろんなジャンル、しかもお客様がお持ちだった服のアーカイブもみられる。ずっと携わっていると、もう触るとその服について、状態が分かるようになってくるんですよ。経験、そして感覚の積み重ねです。
これからの季節、特に冬はセールと重衣料の扱いが増えますし、初売りは繁忙期のピークとなります。どんなに忙しくても「信頼」をお客様に届けるために、皆の力を活かして「ラグタグ」の要になれればと考えています。

サステナブル視点の取組みや取材も増えている




取材を終えて)日々、広報活動でお世話になっている記者の中にもファンが多い「ラグタグ」。オンラインの日々の更新時間を把握し、熱心に商品をチェック下さっている方もいるほど。1点1点に注ぐ愛情と、お客様ファーストの想いは多くの方に届いています。編集員2人は取材を終えた帰り道「こんなに丁寧に扱ってくれるなんて、自分が着なくなった服はラグタグに買い取ってもらいたくなる」と話しながら帰路に。「お客様のために」という商売の原点に改めて感銘を受けた1日でした(MOVING編集)






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