あの人のB面 Vol.6 池上貴尉さん
ワールドグループで名前だけ耳にしたことがある“あの人”の、普段目にすることができないプライベートの部分や、これまでの人生について掘り下げていく『あの人のB面』。第6回は株式会社ワールドのデジタルリテール事業本部本部長と株式会社ファッション・コ・ラボの社長を務める池上貴尉さんです。

【プロフィール】
いけがみたかやす/1975年8月15日生まれ。出身は兵庫県明石市。1998年に株式会社ワールドテキスタイルに入社。学生時代は、セブンイレブンやマクドナルドなど、代表的なチェーンオペレーション企業のモデルを一通り体験しておこうと、バイトをいくつも掛け持ちしていたそうです。
これまで経験した仕事に1ミリも無駄はなかった
池上さん、本日はよろしくお願いいたします!まずは池上さんの現在の業務内容について教えてください。
ワールドのデジタルリテール事業本部とファッション・コ・ラボに在籍しています。まずデジタルリテール事業本部では、デジタル上でのお客様とのコミュニケーションを通して、商品を販売するECやCRMの仕組みを開発し、グループ内ブランドに提供しています。また、その仕組みを使ったワールドオンラインストアというブランド横断のモール事業を運営しています。特に今は、店舗とECをストレスなくシームレスに繋ぐOMOや、ユーザー1人1人にあったコミュニケーションを展開するパーソナライゼーションに注力しています。
会社やブランドを横断してデジタル面からワールドグループを支えているんですね。
ファッション・コ・ラボでは、先程話したワールドで開発したECやCRMの仕組みに加えて、ECで特に重要になる物流の仕組みも含めたソリューションを、外部の企業に提供する事業をしています。また、ECを構築・運営する上で必要な、サイトやコンテンツの制作、商品撮影、物流、カスタマー対応までの全ての業務のフルサポートしています。例えばスナイデルやジェラード・ピケを展開するウサギオンラインは、ファッション・コ・ラボが運営をフルサポートしています。ワールドでの事業実践を通して仕組みを開発し、ファッション・コ・ラボを通して外部に提供する、ダブルエンジンの事業を展開しています。

どちらもデジタル系の業務なんですね。入社されてからはどのようなご経歴なんですか?
入社した時はブランド事業希望だったけど、経営学部卒で簿記の資格も持っていたこともあり、最初は経理に配属されました。最初の希望とは違いましたが、元々、PL・BS・CF等※1数字を通して会社経営に関わる事に興味があったので、かなり勉強させてもらいました。ここでの経験が、今の事業をやる上で、欠かせない自分の血肉になっているなと感じます。
(※1) PL:損益計算書 BS:貸借対照表 CF:キャッシュ・フロー
経理にはどれくらいの期間携わったのですか?
6年程在籍したのですが、そこからもう少し事業自体を近くで学びたいと思い始めました。当時は百貨店SPAに加え、駅ビル、SC系の新しい事業が急成長していたタイミングでした。それらの事業を横断してビジネスモデルや業務モデルの構築を支援する部署の公募があったので、自ら手を挙げてそこに入りました。ここで、各事業のビジネスモデルや業務プロセスを学んだことが、現在ファッション・コ・ラボで展開している、外部へのソリューションビジネスに繋がっていると感じます。
社内の事業に広く関わることができる部署に入られたんですね。
その後は、日本でもAmazonや楽天、ZOZOが成長し始め、いよいよワールドも本格的にECを強化するという時期に入りました。そのタイミングで、自社の店舗網を最大限活用し、ECとの相互送客を可能にする顧客システム(ワールドプレミアムクラブ)を構築するプロジェクトを立ち上げ、推進してきました。それが2008年くらいで、そこから現在に至るまで、EC・CRM系の業務に携わってきたことが、今のベースになっています。
ご経歴の全てが、現在の池上さんの業務に役立っているように感じました。
全部が今に繋がっていて、1ミリも無駄はなく、逆に今までのどの経験が欠けても、今の自分はないと思います。経験を次に繋げながら、できる事や裁量が増えてくると、責任も増えますが、それに伴って仕事の楽しさも増えていきます。振り返ってみても“今が一番楽しい”と感じています。
150インチの巨大スクリーンで映画三昧
ここからはプライベートなお話を。池上さん、趣味はありますか?
映画が好きで、良く観ますね。ホラー以外は何でもみますが、仕事で溜まったストレスを解消するために、スカッとするアクションとかSF系の映画を良く観ます(笑)。『ミッション:インポッシブル』や『スターウォーズ』といったメジャー作品から、ネットフリックスのオリジナル作品まで。映画館にもよく行くけど、自宅でも大画面を楽しみたいと思い、家に入る最大サイズの150インチのスクリーンと、4Kプロジェクター、映画館並みの音を楽しめるスピーカーシステムを導入しました。この3つが揃うと、映画への没入感が半端なくて、映画を観るのが100倍楽しくなりました。150インチのスクリーンは、横幅が3メートル以上あり、とにかくデカく、マンションのエレベーターに乗らないから、家に運び込むのが大変でしたけど(笑)。


池上さんが皆におすすめしたい、印象に残っている映画はありますか?
さっき話した現実離れしたアクション映画は、瞬間的なストレス解消用(笑)。印象に残っている映画は、実話系の作品が多いですね。例えば『最強のふたり』。事故で車いす生活になってしまった富豪の男性と、介護役として雇われた刑務所から出たばかりの黒人男性が、衝突しあいながらも、お互いを受け入れて友情を育んでいく物語です。それぞれの人をそのまま受け入れることの重要性について考えさせられます。まだまだ自分の器は小さいなと(笑)。
心が温まりそうな映画です…。私も観てみたくなりました。
生産性を高める究極のリモートワークスペースを求めて
150インチのスクリーンもそうですが、基本的に生活を楽しんだり、便利にしたりするガジェットが好きなんです。ECで買った商品が届くたびに、「今度は何を買ったの?」と奥さんにあきれられています(笑)。最近ではリモートワークが必要になったので、いかに生産性を高めるかを追求したワークスペース作りの沼にハマっています。
池上さんが使用している中でも、特にオススメのガジェットはありますか?
色々ありすぎて、話し出すとそれだけで時間が足りなくなるけど、ホワイトボード、ウルトラワイドモニター、電動スタンディングデスクがオススメです。例えば、何かを考えたりする時は、いきなりデスクに向かわずに、大きなホワイトボードに手で書きながら考える。ザックリ考えがまとまったら、デスクに向かって整理する。この時、2画面並べられるワイドモニターがあると、本当に効率が上がります。整理していると、途中で煮詰まってくるので、デスクをスタンディングモードにして、部屋の中を歩きながら考えて、またスタンディングデスクに向かって整理する。その繰り返しで考えを最終化します。リモートワークは集中力が切れやすいので、座る、立つ、歩くという感じで、体勢を変えながら仕事をするのがオススメです。他にも、WEB上での会議や商談をスムーズにするための、WEBツールや、ガジェットを色々試しています。デジタルチームは、特にリモート比率が高いので、全体の生産性を高めつつ、若手や新しく入った人が孤立しないようにするための環境作りも含めて、自分を実験台にして、あれこれ実験しています。自分がこういうデジタルモノが、好きなだけなんですけど(笑)

すごい!もはやオフィス以上に集中ができそうです。
AB面の垣根なく、仕事自体を楽しむ
B面と言いいながら、また仕事っぽい話になってきましたが(笑)。個人的には、あまり仕事とプライベートの境目はないです。仕事自体は楽しいし、いつか自分が代表として何かしらの会社の経営に携わりたいという思いがあったので、ワールドのデジタルリテール事業と、ファッション・コ・ラボという会社を、どう経営し、成長させていくか?が、AB面含めて、自分の中で一番の関心ごとです。別の事をしていても、頭の片隅では、常にこの事を考えています。でも苦じゃなく、それを楽しんでいる。結果を出す責任やプレッシャーは当然ありますが、人生の大半の時間を仕事に使うなら、楽しんだ方がいいに決まっている。「楽しい・楽しくない」という受動的なことではなく、「自ら楽しむ」という能動的な感じで。仕事をしなくていい状況だったとしても、今の仕事を続けると思います(笑)。自分が最も関心のあるデジタル分野で、グループだけでなく、社会課題の解決に貢献できるインパクトのある事業をしたい。共に楽しむ仲間を増やしたい。それが私の一番のAB面?ですね(笑)。
若い世代が、どんな次の柱を作るのか
最後にワールドグループの社員の皆さん、特に若い世代に向けて一言、お願いいたします。
ワールドの中核を支えるブランド事業の大半は、私の先輩方がベースを開発してこられた事業です。入社以来、様々な経験を積ませていただく中で常に考えていた事は、“自分たちは先輩方が作った事業でメシを食べている。自分達の世代で、次のワールドを支える事業を作りたい”という想いでした。まだまだ道半ばですが、OMOを含むワールドのデジタル事業やファッション・コ・ラボを通じたソリューション外販事業で、私達なりの次の柱を作りたいと思っています。特に若い世代の皆さんにお伝えするなら、今の事業で経験できることを存分に活かし“自分達の世代で、どんな次の柱を作るのか?”を考えて、是非楽しみながら業務に取り組んでいただければと思います。私達が先輩方にしていただいたように、私達も皆さんのチャレンジを応援します!

池上さん、お忙しいところ、ありがとうございました!
インタビューを終えて
インタビュー中に池上さんがおっしゃっていた“経験してきたことに1ミリも無駄がなかった”という発言が、大事なキーワードだと思いました。たとえそれが自分のやりたいことと合致していなくても、一つ一つの仕事と真摯に楽しく向き合うこと。その積み重ねが、キャリアとなって今の池上さんの土台を作っているように感じました。そして池上さんが“今が一番楽しい”と笑顔で言えるのは、その土台があるからだと思います。全ての業務と真摯に向き合えているか、という質問をされたら、今の私は恥ずかしながら自信を持って肯定することができません。しかし池上さんへのインタビューを通して、自分の将来の役に立たない仕事はない、と改めて気づくことができました。全ての仕事を楽しみ、糧としていくことが、未来の私のために今の私が取り組むべきことだと思いました。
(聞き手:石平 賢太朗)






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