揚げ物と輪切りのネギ
阿部 あゆ子です。休日に「あ、あれ食べたい」とひとりでご飯に向き合う時間がたまらなく好きです。
厨房が見える席で、昭和の香り漂う店内であればもう最高。
自分が生まれた時代に包まれる安心感。店内は人生の先輩方でいっぱいだ。

開店の15分くらい前に行って、2番目くらいに並ぶと決めている(すごい執念)
きっちり、11時半にかけられる暖簾。
カウンターに座ると同時にオーダー。
メニューなんて見ません。もう決めて来ているから。
千切りキャベツが乗った白いお皿が並んで、出番を待つ厨房。
粗い雪のような、ふっかふかなパン粉が入ったバット。
油はとても家ではできない、大きな鍋で恐ろしい位の強火。とんかつはロックだ(笑)
横ではお土産のサンドイッチが真っ直ぐ、規則正しく切られていく。
てきぱきと配膳される、つやつやのご飯。
と、ここで目を引くのが都度注がれる「輪切りのネギ」。
いただく時のシャキシャキ感を考えた、あまりにも適時な投入だ。まるで教科書に載っているかのような規則正しい2㎝の、いわゆるぶつ切り。

とたんに主役はカツではなく味噌汁に。
あぁ、何て美味しいんだろう。生まれてきてよかったとさえ思う瞬間。
以降家でもネギはこの切り方。

教科書と書きましたが、手元に1988年(!)の食品成分表があります。


調理実習命の女子高生で、実習に間に合うよう一限から机で干し椎茸を戻し、先生に叱られた苦い記憶。
戻っていないカチカチの椎茸って、嫌ですよね。出汁も使えるようきっちりラップをしていた。
この情熱はいま、活かされているんだろうか。
次回は五十川 楓さんです。お楽しみに。






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