サービスにおける基本的な疑問に対して、店長のみなさんはそれぞれどう考え、行動しているのかを毎月ご紹介します。彼らの考える「サービスの基本」とは？

お聞きしたのは、こちらの店長

今月の基本「秘伝！おまとめ買いを促す方法、教えてください！」

セット売り、コーディネート売りなど、いわゆるおまとめ買いをお客様にしていただくための秘伝を4人の店長にお聞きしました。おまとめ買いにおける、彼らの秘伝とは！？

■松原寿来店長（インディヴィ ラージ 新潟伊勢丹店）の場合

まずは何より、居心地のよい空間作り

「元々あまりおまとめ買いをお客様にご提案するのは得意ではないのですが、私が気をつけていることは、お客様が他のお店ではなくインディヴィで買い物をしよう！という気分になってくださるように、お好みの商品をご紹介したり、居心地の良さを作るようにしています。例えば、共感しながらお客様の好みを聞き出し、お好きなテイストの商品をご紹介することで、お客様に“私好みの商品がインディヴィにはたくさんある！”と感じていただけて、おまとめ買いに繋がりやすいです。また、なかなかサイズが揃わないセール時は、ご希望のサイズの商品をすべてご用意するとお客様にストレスを感じさせないので、お客様のサイズですぐにあるものを瞬時に把握するように心がけています。ただし、サイズがあるからオススメしていると感じさせないような言い回しには気をつけています。気持ちがおおらかになると財布の紐も緩みがちなので、心が打ち解けるよう笑いを誘ったり、お洋服を選ぶ楽しさを感じていただけるようお客様主体で選べるように会話を工夫したりもしています」 

プロフィール）
新潟県出身。1999年、ワールドに入社。ジ・エンポリアム、インデックスを経て、2003年にインディヴィ ラージ新潟伊勢丹店の店長に。その後、レギュラーサイズへの異動や2回の産休の後、ラージ店の店長として復職。休日の午後は、夕食やお弁当用の作り置きを作って、のんびり過ごすのが定番。「ビールを片手に、おかずをつまみながら楽しんでます」

■保田莉那店長（インデックス 明石ビブレ店）の場合

お客様が気になる商品の着回しコーディネートをご提案します

「私が意識しているポイントは、お客様の普段のスタイリングを考慮し、なおかつ全身コーディネートで見せることです。やみくもに提案しても、お客様のお好みやこだわりにフィットしなければ、お客様に選んでいただけません。普段どんな色をよく着るのか？パンツの形の好みは？きれいめ？カジュアル？などお客様のスタイルに合わせたコーディネートでご提案します。そのあと、更なる着回しとしてトレンドを絡めた違うテイストのスタイリングでもご提案するようにしています。ひとつのアイテムからこんなにもいろんな着回しや表情を出すことをお伝えすると、全身コーディネートでおまとめ買いをしてくださる方が多いです！

プロフィール）
兵庫県神戸市出身。大学を卒業後、ワールドに入社。ショッパホリック、オペーク ドット クリップを経て、2020年2月にインデックス 明石ビブレ店の店長に。休日は、インスタグラムで気になったご飯屋さんをハシゴしたり、洋服やコスメの新作チェックをすることがほとんど。「家に籠ることはほとんどありません。三宮や梅田を歩いていると、トレンドがよくわかりますし、オシャレな人を見るととても刺激になります」

■渡辺綺らら店長(リサマリ 新宿ルミネエスト店)の場合

大事なのは、お客様のニーズを聞き出すこと

「インナーは洋服よりも後回しにされてる方が多く、最後にインナーを買った日や、採寸した日を必ずお聞きするようにしています。そして、お手持ちの数や、最後に買った日から日にちが経ってるか、サイズの変動があったかなどを把握してます。その上で、お客様は普段どんなお洋服が多いのか、お仕事はどうか、シルエットや着用感の好み、好きな色、今後の予定など把握しておくことで、お客様のニーズに合った商品を提案します。また『インナーは手洗いでも一年が寿命です。7枚は必要なので、まずは2、3着揃えてみませんか？』など具体的な知識と数をお伝えすると、おまとめに繋がりやすいです。まずはお客様の現在となりたい未来を想像できる具体的な提案をしてみましょう！」

プロフィール）
東京都出身。2016年9月、リサマリに入社。東急プラザ蒲田店、新宿ルミネエスト店へ経て、横浜ジョイナス店のオープニングで店長に就任。現在は新宿ルミネエスト店の店長として活躍。趣味は、美味しいご飯を食べること。「行ってみたかったごはん屋さんに行くのが、休日の楽しみです」

■佐々木祐一店長（ネクストドア キテミテマツド店）の場合

尊敬する先輩から学んだ、応対の“考え方”

「私が大事にしているのは“方法”より“考え方”です。指導してくれた先輩の受け売りですが、『1点しか勧めない人は、10点売ることはできない』という考え方を大事にしています。すごく単純なことではあるのですが、中々結果が出ないときほど一つの商品を一生懸命話し続けていることが多いです。そのため、調子悪いな、と思ったときは、先輩の言葉を思い出すようにしています。じゃあ、どうやってそんなにたくさん勧めるの？となりますが“お店で人気のスタイリング”や“自分ならこう着る”そして“こんな風に着てる人がいて素敵でしたよ”とお伝えし、一つの商品に対して最低でも２パターンのスタイリングをご提案するようにしています。その上で、お客様のクローゼットの中にないアイテムを一緒に選んでいくと自然と必要なもの、お客様の欲しいものが決まっていくと思います」

プロフィール）
1984年生まれ。東京都杉並区高円寺出身。学生時代はバスケットボールに打ち込み、スポーツ推薦で大学の付属高校に入学。大学に進学後、新宿丸井メンズ館のボイコットにアルバイトとして入り、卒業後そのまま入社し、新店のボイコット 津田沼パルコ店に配属。27歳の時に立川グランデュオ店での店長を経て、TSTKに異動。その後、ネクストドア キテミテマツド店の店長に。趣味は、ゲーム、散歩、そしてNBA観戦。「休日は自宅でゲームをするか、浅草や谷中へ行き、長い時は半日以上散歩をしています」

取材を終えて

今回、店長の方々の秘伝を聞いて思ったのは、お客様と向かい合わせではなく、同じ方向を見て、お客様のニーズやお悩みを解決されることが大事だということでした。それは、どんな店舗でも、どんな商品でも、同じだと思います。いかに親身になってお客様の応対をできるか、がおまとめ買いのポイントなのかもしれません。