続 新宿駅 西口
前回に続き新宿駅 西口について、阿部 あゆ子が書きます。
10月2日(日)雲ひとつない快晴。10月に入ったのに刺すような日差し。
小田急百貨店 新宿店 本館の最終営業日。お隣のハルクで営業を継続するとはいえ“西口にいつもあった” 本館とお別れ。道中、小田急の資料で予習すると初めて知ることが多くて。
●その1)1967年に完成した本館の建築はル・コルビュジエに師事した 坂倉 準三が手掛けた。2つのビルの外観をアルミパネルで統一し、ひとつの建物のように見えるデザイン。

●その2)通称ニコニコマークは、小田急の「小」を目鼻に見立て、下半分が開いているのは「たくさんのお客さまのお越しをお待ちしています」という気持ちを示している。
館内にこの様な掲示がしてあるものの、メディアというより一般顧客の記念撮影で溢れています。いや、懐かしむその眼差しは元従業員なのかもしれない、などと想像を膨らませながら私もどんどん回遊。

小田急の公式Twitterによると、通常毎月1日に掲げていた社旗を、お客様からの要望で急遽掲げたとのこと。これにより私を含む多くの中高年が、旗がきれいにたなびく瞬間を撮影しようと風向きをひたすら待つことに。

ターミナル駅で、入口がとにかく多いのも特徴。正面がどこか、今でもよくわからない。
西口地下にひっそりとあるこの階段は他が混み合う中でもすごく静か。クラシカルな階段を機嫌よく降り、デパ地下を更に上機嫌で回ってまた上のフロアへ。今度はいつもの入り口からまた地下へとぐるぐる。


いつもはこちらから地下へ。下って正面に千疋屋(くりぬきゼリー オレンジ食べたいなぁ)、右にまい泉(ポケットサンドの山積みに目がくらむ)、ぐるっと回ったところでシウマイ弁当(結局コレ)と何度も通った空間。

こちらは物産展に向かう際に使うエレベーター。たいてい凄く混雑。


エコロモ キャンペーンの時期にはカウンターを設置した入り口を右に、モザイク通りからの写真。左側は京王百貨店。

ワールドとしての思い出もたくさん。2001年「ルイ シャンタン」を軸としたストアブランドからリニューアルをした「エクリプス」は、欲しいものばかりで気持ちが高揚したことが昨日のよう。2004年には上質なブランド提案をするための“ニュー・クリエーション・プレタ”「トア・ディモンション」「リラエール」がオープン。その時の床の感触と皆の表情、今でも覚えています。そののち、2013年春には、4階に都内の百貨店ではじめて「オペーク ドット クリップ」出店などなど尽きません。
都度、小田急の方にお世話になり、ともかく圧倒的に親しみやすい、まるでニコニコマークそのものの対応をいただきました。あの優しさの原点はここにあったのか。

地上48階建てと周辺も含めた再開発の竣工は2029年度の見通し。それにしても「光陰矢の如し」をとっても感じる今日このごろ。次の西口も元気に楽しく見ることができますように。
追伸)様々に報じられていますが、今回小田急百貨店は閉店のスタンスはとらず、ハルクに移転としています。そのため往年の関係者や顧客が自主的に集まっての惜別となりました。
次回は今井 紗哉加さんが書きます。お楽しみに。






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