永く愛される商品で、ブランド価値を伝え続ける「HIROFU」

2019年春にワールドグループの仲間となった株式会社ヒロフは、1977年に創業し、バッグを中心に革小物を展開する「HIROFU」ブランドを展開しています。日本で企画したデザインを、ヨーロッパで調達した上質な素材を用いてイタリアの工場を中心に生産。“シンプル”“ミニマル”“コンテンポラリー”をコンセプトに、トレンドに左右されない普遍的なスタイルを提案することで、多くのファンを持つモノ作りとそれを支えるチームとは。4名のインタビューを通して職種を超えた「HIROFU」への愛情が見えてきました。
「商品も店もお客様に支えられている」 営業 鳥居 愛さん

前職は、医療福祉系の総合職を経て、地方に転居したのをきっかけに、プロスポーツチームの広報に。当時まだ20代で「これから何をしよう」と考えた時に、業種に限らず「人に喜んでもらえる」仕事に就きたいと考えました。
「HIROFU」への転職のきっかけは、母が購入した「HIROFU」のバッグを嬉しそうに見せてくれたこと。他のブランドと違う、シンプルさと上質さに惹かれてサイトを見たらちょうどリクルートメントをしていて「この商品に携わりたい」と応募しました。販売の仕事は初めてでしたが、始めたらとっても楽しくて。店長やセールスマネージャー、研修担当を経験し11年目です。現在は営業として都心を中心に担当し運営のフォローを中心に、ポップアップの際などは自ら店頭に立つこともあります。
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社員として携わった今も、入社前に「HIROFU」と出合った時と同じ感動があります。本当に上質で「この価格でいいのかな」と、知れば知るほどに企業努力と工場の方々の努力の賜物だと思いますから、お客様に自信を持ってお薦めできます。
――定番はお客様がつくる
私達は「定番はお客様がつくる」と考えています。お客様の支持があれば来シーズンも展開し、定番が生まれます。そこに時代のニーズを取り込んでいく。全国のお客様の声は、皆が見られる様になっています。長く使える素材、デザイン、アフターメンテナンスで3世代で愛用いただいている方も多いのが特徴で、顧客様に支えられています。
スタッフには「自分で考えること」を伝えています。応対は正解が無い仕事なので、まずは考えてやってみようと。それがやり甲斐に繋がります。この積み重ねが「HIROFU」チームのマインドを醸成し、カルチャーになっています。ブランドが続いていくために、次の世代に大切に受け渡していければと思います。

人も商品も大切に「モノづくりで嘘をつかない」 ブランドマーチャンダイザー 岡本 慶紀さん

13年に新卒でヒロフに入社しました。ファッションは好きでしたが、ベーシックな「HIROFU」の商品を学生時代にはそれ程知らなかった。でもたまたま出合う機会があり、実際に見てインポートブランドやハイブランドと遜色ないクオリティに驚いて「どんな人が創っているのだろう」と興味を持ちました。日本のブランドだということもその時に知ったんです。
営業職で採用されましたが、当時は恵比寿の本社とともに物流倉庫もあり、まずはそこで2年間、ディストリビューションとして管理や物の流れを学びました。この時期に学んだことは現在に活きています。その後は店舗営業を経て、現在はブランドMDとしてシーズンの設計を中心に、それぞれのアイテムの予算設計、毎月の仕入れを組み立てて発注までを主業務として行っています。
創業時から脈々と続いている社風ですが、厳しさの中でも風通しが良く、手を挙げれば何でもチャレンジできる会社です。自分も営業時代に国内新規商品の開発を立案し採用されました。
――「HIROFU」らしさはデジタルになっても変わらない
「人が最も大切」。モノを大切にする心は人を大切にする心からくると考えています。人を想うからこそお客様に「良いものを永く使っていただきたい」「適性な価格で提供したい」と考えています。「モノづくりで嘘をつかない」これはメンバー皆の根底にあることです。ここはデジタルになっても本質は変わりません。店頭以外のタッチポイントが広がるだけなので。
コロナ禍を経てお客様のモノに対する価値観は一層変化しました。より良いものを長く使いたいというニーズは、「HIROFU」のモノづくりのスタンスが受け入れられ、ブランド価値を高めるチャンスです。今後より多くの方に「HIROFU」を知ってもらいたいと考えています。ですがあくまで「ヒロフらしいやり方で」ここは絶対にブレてはいけないと考えています。
「信頼関係が価値を生み出す」 商品開発部 課長 齋藤 紫乃さん

学校を卒業をしてから、イタリア留学をして靴作りを学びました。ヒロフへの入社のきっかけは、ファッションが好きだったことと、日本のブランドでイタリアでモノ作りをしてゼロから企画をしていたから。5年務めて一度退社し、他社でシューズブランドの企画、ディレクションを行いました。靴とバッグは同じ革で繋がっていますし、「HIROFU」は元々は靴から始まったブランドです。他社を経て再びヒロフに入りました。
商品はほぼイタリア製でバッグと小物それぞれ3~4社の工場とお付き合いをしています。ほぼイタリア製の上質なレザーでここまで価格を抑えられるのは「長い間、同じ工場で、信頼関係がある」からこそ。家族経営が多く、私が入社した頃はお父さんがオーナーで、今はその子供の代へとずっと「HIROFU」との関係を大事にしてくれているメーカー様と共にあります。また、現在のベストセラーが10年前もベストセラーであるように、色は毎年変えていますが、形が同じであることも価格に反映されています。価格は他社と比較してもものすごく求めやすくなっています。
――長く使えることが「HIROFU」の考えるサステナブル
ベーシックなものが多く見えますが、実は6割くらい毎シーズン新型を出していてそれが店頭のラインナップに溶け込んでいます。新作という打ち出しは敢えてしませんが、顧客様にはすぐにお分かりいただける。どちらかというとマニュシュな、自立した仕事をする女性に向けた商品が多いのですが、それでも最近の傾向としては軽く、小さく、カジュアルなものも増えています。流行りを追いかけることは行いませんから、今までのお客様が使えるように。「長く使えることがHIROFUの考えるサステナブル」です。
9月にイタリアの展示会におよそ10日間行ってきました。コロナ禍を経ておよそ3年ぶりで、革をつくる工場にも行き、なめしや色付けの工程から「HIROFU」の革のオリジナルの部分も再認識できました。「HIROFU」の色付けは2トーンで、見た目は1色でものっぺりしないように、艶感を出してリッチに見せるように仕上げています。そのほか、中の芯材の使い方まで、これらは全国の店舗にシーズン研修で伝えていきます。
商品開発はゼロから1にする役割なので、お客様に喜んで購入いただいた時に遣り甲斐がありますし、より「HIROFU」らしさを伝えていきたいと感じます。




「職種が異なっても皆の気持ちはひとつ」 企画管理部 課長 伊藤 裕章さん

新卒で旅行会社に入社したので2社目になり、ヒロフには20年勤めています。今日の4人の中では一番長いですね。今は企画管理部として経理、総務関係を担当しています。
ヒロフの良さは人との距離だと思います。ワールドグループに入る以前から、当時のオーナーが創り上げた「人を大事にする文化」があります。最初は1社目との違いに戸惑いもあったのですが、辞めずにここまで続けてきたのは、やっぱり大切にしてもらったんだなと思います。入社以降様々なことを教えられ、育ててもらいましたが、常に「自分のために仕事をしなさい」と言われ続けてきました。結果的にそれが自分のためだけでなく、会社のためになると。これは自分だけでなく皆が言われていて、それぞれが続けてきました。若い時はその意味がわかりませんでしたが、年を重ねてあの時の言葉に重みを感じます。良い文化だなと思います。
これまでは管理部門として何でもやっていましたが、ワールドグループになって業務面のケアやシステムの活用を中心に連携ができるようになりました。
――会社と商品への愛着は垣根を超えて
自分は管理部門ですが、ヒロフが販売しているものは上質なレザーのバッグ。職種が異なっても皆の気持ちは一緒で、会社と商品への愛着があり、自分もバッグも財布も使っています。
とにかく店が主役、その為に店頭を第一に考えて、サポートをしていくことが全てだと本社のメンバーは皆思っています。それは我々の商品をお客様に届け、愛着を持ってお使いいただくことに繋がっていきます。実際に店に行き状況を聞くと、コミュニケーションができるからやっぱり足を運ぶのは大切ですよね。皆で会社をつくっている感覚なので、役割が違うだけで同じところを目指しているし、部署間の垣根もありません。ブランドとして「守るべきものは皆でしっかり守る」ことを大切にしています。流れていってしまうと壊れるのは一瞬なので。この気持ちを大切に、ブランドが良い状態で続いていってほしいし、次世代に受け渡して行けるようにしていきたいと考えています。

株式会社ヒロフ 社長 佐々木 佳子さんコメント
ワールドグループに入り、コロナ禍のなか、本社と倉庫の移転、システムの導入と様々な変化を乗り越えてきました。もともとヒロフにある企業文化はとても素晴らしく、社員全員に店頭第一という精神が根付いています。そこは大切に守りながら、今後も前向きに変化して、みんなでブランドの価値を高めていきたいと思います。






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