ワールド愛あふれる上山会長『カミーBLOG』最終回 特別インタビュー10の質問

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2024年5月28日をもって、代表取締役会長を退任される上山さん。社内でお会いするといつも笑顔で挨拶をしてくださり、社員とも気さくに会話をしていただきました。

MOVINGでは‘カミー’のハンドルネームで、私たちにたくさんのメッセージを伝えてくださいました。 今回は、ワールドグループ入社から10年半を振り返って、インタビュー形式で『カミーBLOG』最終回をお届けします。

2013年 ワールドに入社、2015年 社長に就任、2018年再上場、2020年会長に就任

Q1.上山さん、お疲れ様です!本日はよろしくお願いいたします。それでは、早速ですが退任されるにあたって、今の率直な気持ちをお聞かせください。

さびしさ6割、ちょっと安堵感4割という、そんな感じですね。
さびしいなぁ、というのは、最初に思いました。

やり遂げたなんてえらそうなことは何もないですが、自分がやるべきこと、もちろん全てではないですが、やるべきことの一部はできたのではないかなと少しほっとして肩の荷が下りた、というのが今の気持ちですね。

10年半は長かったでしょうか、それとも早かったでしょうか。

私は1988年に社会人になって丸36年経っていますが、銀行には11年、ワールドはその次に長いです。どちらかというとあっという間でしたね。自分の中ではとても早かったです。
充実感がいっぱいだからこそすごく早く過ぎた…というのが率直に感じていることです。

Q2. 入社されてから10年半。社長・会長としてのご経験の中で一番印象に残っていることを教えてください。

印象に残っていることは色々ありますが、一つ選べと言われると、やっぱり2018年9月に再上場をさせていただいたことですね。
それは当然自分一人の力ではなく、寺井さんや鈴木さん、中林さんとともに、役員、社員の皆さんの大きな力を結集して再上場できたことは、すごく嬉しかったことですね。記憶の中で、最初に浮かんできたのがこの再上場でした。

Q3.また、一番ご苦労されたことについても教えていただけますか。

たくさんあったと思いますがわりと忘れるんですね、しんどいことは(笑)。
今振り返ってもこれは苦労だったというものはないですが、やはり一番しんどい、厳しかったのは、鈴木さんが社長になる直前にコロナが日本にも押し寄せてきて社長交代を発表した直後に百貨店も閉まり、政府からは緊急事態宣言が出されました。
それから1年半、業績含めてどういう状況になっていくのか予想ができなかった時期でした。

一番苦労したのは鈴木社長であり、執行の皆さんですが、いつも私が言っている「やるべきことをやるべき時にやるべき人がやる」これは業績にも、会社の日々の活動にも全てつながることで、自分がコントロールできることは、必死に頑張って、コントロールしましょうということです…ただ、このコロナが押し寄せてきたときは、一体これは何をどうコントロールできるんだろうと。
社員の皆さんの中でも感染者が増えましたし、ワールド10年半の中で一番不安になった時期がコロナ禍の最初の1年でした。

ただ、そこからコロナ禍前の業績に一気に迫る勢いで復活してきたことは、苦労もしたけど素晴らしいし感慨深いと思っています。

Q4. 話はがらりと変わります。これまでブログの中でも度々スポーツに注目され、そこから得られる思いや共感を伝えていただきました。最近スポーツから何か得られたことはありましたか。

最近一番心を揺さぶられた、一番興奮したのは井上尚弥選手ですね。特に今回の勝ちっぷりはすごかった!実はちょっとネリ(ルイス・ネリ)はやばいんちゃうかと、負けるとしたらネリちゃうかと思っていたんですよ。
1ラウンド目でダウンした瞬間はびっくりしましたが、そこを乗り切って。しかもカウント8まで立ち上がらず座った状態で自分の頭が揺れるのを抑えるなんて、めちゃくちゃ冷静ですごかった。
今回の試合は、どんな時も冷静さを失わず、勝つためにやるべきことをしっかりやりきるという意味で学ぶことも多く、井上尚弥選手を心から尊敬しました。久しぶりにボクシングで超興奮しましたね。

ワールド野球部の思い出もお聞きしたいです!

ワールド野球部には2015年4月に入部させてもらいました。
選手登録してもらって、最初のうちはまだ体が動いたので、試合に行けたときは先発で使ってもらっていましたけど、最近では選手登録を無理やりしてもらってる感じで(笑)山崎景治朗総監督(デッサン VMD)が1打席は立たせてくれるのが暗黙の了解になってて、それで楽しませてもらってます。

この写真は去年の11月ですね。
ウォルトディズニージャパン社 野球部との親善試合。ワールド野球部も最近では人数がギリギリだったりセールと重なったりで公式試合ができないケースが多かったんです。
ライセンス契約しているウォルトディズニージャパン様と野球の話しをしたことがきっかけで声をかけていただき、阿部慎太郎(オペーク ドット クリップ)主将が日程調整してくれて実現しました。
この時にはメジャーリーガーの一歩手前まで行った中村尚史さん(タケオキクチ プレス)が入部してくれて130㎞の球に相手チームも驚いていましたが、主砲の阿部選手の不慮の負傷と一時退場もあって0-4で惜敗しました!
(※写真は山崎景治朗総監督より提供)

ウォルトディズニージャパン野球部との親善試合
ポジションはファースト!
背番号8は永久欠番です(山崎総監督)
ワールド野球部の皆さん

退任されてもワールド野球部の活動は続けられるのでしょうか。

野球は出ますよ!会社は退任しますけど、野球は出ると皆さんと約束してます。
先日は野球部で僕の送別会をやってくれてめちゃくちゃ嬉しかった。

とにかく最近は部員不足。中学、高校、大学時代にあるいは少年野球をやったことがある人はぜひ、阿部慎太郎主将まで連絡してください!

それはチームの皆さんも嬉しいですね!こういった社外でのコミュニティ活動がもっと増えたらいいです。

Q5. 2020年6月のFinal Blogでもつながる力について改めて言及されています。常に発信し続けた「高度な一枚岩」について、今ワールドグループのつながる力はどのように見えていますでしょうか。

Final Blogをもう一度読み返しました。私が言いたいことは全てこの中にありますが、人間というのはひとりでできることは本当に限られています。
どんなに力がある人でも、周りの支えや協力があって、受け渡す人がいるからこそ仕事になっている。会社の仕事って部署がどこであれ、全てつながっています。
そういう気持ちを持って精神的にも物理的にもつながっていくことだと思います。

私が社長の時よりも、グループの仕事も会社も多岐にわたり、ワールドグループが広がっていることでより高度な一枚岩が必要とされています。
コロナ禍を経てリモートワークなど、物理的に離れた場所で仕事をすることも増えました。デジタルの力でカバーする部分もありますので、状況に合わせた一枚岩であってもいいと思いますが、ゆるやかであっても、より一人一人のつながる努力が必要だと思っています。
最近の「つなぐワールド」の活動はいい取り組みだと思うし、この活動を通してワールドグループの様々な仕事や人のことを知るきっかけになると思います。

諸行無常、会社は常に動いています。
過去の良いことを知り、現在の良いことを体感し、未来につなげていくことは、一人一人が意識し、努力と協力が必要です。つながることがワールドグループの強さになっていくと思います。

Q6. 上山さんは、複数の会社を経験されていらっしゃいますが、ワールドグループ社員の強みってなんだと思われますか。

ワールド愛に関しては私も負けるつもりはありませんが、今この瞬間、グループで頑張ってくれてる人はワールド愛に溢れていると想像するし、実際にお話しするとワールドグループに対する愛情が深い方がとても多いです。真面目な方も多いし、会社を好きな方が多いと思っています。

2015年の構造改革では希望退職制度を導入しました。その時に、「ワールドが好きだから永続させるために自分は去ります」と言ってくださった社員もいました。その方々の気持ちも含めて背負って頑張るという強みがあると思います。この10年半でワールド愛を感じる機会が多くありました。

Q7. それでは逆に、ワールドグループの課題や今後期待することはありますか。

時代が大きく激しく変化すると言われて久しいですが、デジタル化が進展して生成AIも出てきて、人間の生活そのものがもっと早く変わっていくと言われています。

これまでもワールドグループは変化し進化してきたと思いますが、これから先も永続するためにはそれを恐れずチャレンジをして、時代の変化を上回る速度でワールドグループが進化し続けてほしいです。それができる会社だと思うし、それができる社員の方々がいると思います。

Q8. ワールドグループは上山さんにとってどのような場所でしたか。

兵庫県出身で子供のころからワールドの社名は知っていました。母や叔母から「ワールドの製品は品質がええよ」と聞いていましたし、姉も学生時代から利用していました。ですので入社した頃から勝手にものすごく親近感を持っていて、自分の居場所のように思っていました。
ホームであり、Comfortableな場所。仕事をする上でやる気にさせてくれるという意味でも良い場所でした。
辞めたらめちゃくちゃ懐かしい場所になるんだろうな、と思います。
それとワールドは関西弁多く、入った瞬間から話しやすかったです(笑)とても親近感がありました。

Q9. 上山さんの今後のご予定や新たな挑戦について教えてください。

今後の予定に関しては全くの白紙です。

これまでもそうですが、辞めるまでは次のことは考えない、就職活動みたいなことは一切しません。
辞めた後に心も身体もリセットする。どこにも所属していない、肩書ナシの時間が好きなんです。
これは城山三郎さんの『無所属の時間で生きる』というエッセーがあるのですが、どこにも属さない無所属の時間にあなたは何ができますか、という内容です。5月28日にワールドグループを退任した後もそういう時間を過ごしたいと思ってます。

無所属の時間を過ごした後は、昨日59歳になったんですが、チャレンジ中毒の上山としては(笑)もしどちらかからお話をいただいて、その仕事に自分が貢献できると思えたらチャレンジするかもしれません。そもそもそんな話をいただければの話ですので全くわかりません。
 
リセット期間は、これまではあまり行くことはありませんでしたが、今回は旅行に行こうと思っています。

Q10.最後に、グループ社員へメッセージをお願いいたします!

もう愛情があふれすぎてね、言葉にするのが難しいんですけど。
48歳で入社し、一緒に仕事をさせていただいた皆さんには、本当に心の底から感謝を申し上げたい、その気持ちが沸き上がります。

メッセージという意味ではいつも言ってることですが、やっぱり仕事をするために集まっている場所です。ここで一人一人が100%の力を発揮していただく。それをつなぎ合わせて、グループとしていいパフォーマンスを出していくためには、まずは心身の健康があってこそです。そこに気をつけてほしいです。

お客様と接する人もそうでない人も、どんな人もどんな仕事でも、朝起きた時には頭と身体はすっきりして、「よし!今日も頑張ろう」と思える。
そういう気持ちで日々仕事に臨めたら、会社にとっても自分にとってもよいパフォーマンスにつながると思います。それを改めてお伝えしたいです。

それと、今後のワールドグループと上山の関係という意味では、今までは社長、会長をさせていただきましたが、これからは上司でも部下でもなく、一人の「ともだち」、友人としてぜひ仲良くしてくださいね!

満面の笑顔でお話いただく上山会長

<後書き>
上山会長の話をお伺いし、改めてワールドグループの魅力、ここで働く人の力を感じることができました。ひとつひとつの言葉がワールド愛に満ち溢れたラストメッセージ、心が温かくなる時間でした。さびしい気持ちでいっぱいですが、10年半、本当に心からありがとうございました。
そしてこれからはワールドグループの「ともだち」として引き続きよろしくお願いします!
編集局も最後は涙をこらえながら取材を終えました。

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