靴業界を牽引する技術とチーム力がひとつになり次のステージへ

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~神戸レザークロス 前編~

■ 新たな展示会名は社員から公募で「KLC ONE」に

小売、資材、OEM、生産まで全体をつなげ、シナジーを上げていく神戸レザークロスの取組みを、前後編でお伝えします。

2019年にワールドグループの仲間になった神戸レザークロス。創業は1948年に遡ります。

神戸市長田区で靴用の新しい素材を開発し、業界における資材提供業者として歩みをスタートさせました。

1966年には、皆さんもご存じのレディースシューズブランド「ESPERANZA(エスペランサ)」を銀座に出店し、本格的に小売事業へ進出。その後、製造から小売りまで一貫体制で靴づくりを行い、2004年には卸事業とOEMの展開を開始し、アパレル向け服飾雑貨OEM市場に参入をしました。

2016年にはラスト(木型)のモデリストがつくるエレガンスヒールブランド「gauge(ゲージ)」をスタート。小売事業、卸事業、OEM・ODMから資材生産まで、自社で全てを手掛けられる靴のスペシャリストとして、神戸レザークロスは進化を続けています。

6月7日(月)~11日(金)まで新浅草ビルで開催した展示会全景。
スタッフ皆でテーマカラー、オレンジの素材を身に付けて接客。神戸レザークロスの原点である素材から、OEMのバリエーションまでひとつの会場に。
2022年Spring&Summerイメージ。
軽やかな素材のバリエーション。

■ 東西に「gauge LABO」開設のほか、靴箱をなくす「NO BOX」PJTまで

「エスペランサ」に併設した三宮のLABO。採寸に加えて、型・素材見本を見て寛ぎながらオーダーができる空間に仕上げた。
最初は5㎝ヒールをお求めのお客様も、履き心地の良さに7㎝、9㎝に移られる方も。
浅草は神戸レザークロス 浅草オフィスに併設。採寸、オーダーはもちろんアフターケアまで細やかに対応。

今シーズン、神戸レザークロスは様々なトピックスを発信します。
まず、ラストモデリストが考えたカスタムオーダーハイヒールブランド「gauge(ゲージ)」は、三宮と浅草の2カ所に、採寸とオーダー、アフターケアを受け付ける「gauge LABO(ゲージ ラボ)」をオープンし、6月から予約制で来店受付を開始しました。

また、「エスペランサ」では、環境への取組みを考慮し、シューズブランドとして初のノーボックス化に取り組みました。生産、物流、店舗までが一体となった、靴箱を無くしたビジネスモデルは、神戸レザークロスの「NO BOX」プロジェクトとして、現在特許出願中です。

採寸をする木型師、五十石さん。お客様ひとりひとりと向き合います。
足長、足囲、振角の合計120サイズ・100色とヒールの高さ、色を選びバリエーションは何と300万通りに。
LABOを設立することでお客様の満足度を上げ、リピートに繋げたい。ヒールの概念が変わる履き心地です。

■「gauge LABO」も入る、浅草オフィスは6月に移転したばかり

工房には二人の木型師が在籍。お客様は「gauge LABO」から仕事の様子を見ることができる。
木製の原型を削り、パテを塗り、微妙なバランスを調整。最後の感覚は職人の経験が生きる。
レザーカッターやUVプリンタ、3Dスキャナを備え、サンプル制作も速やかに対応できるのが神戸レザークロスの強み。

移転して初の展示会は、「KLC ONE」として、6/7(月)~6/11(金)に開催しました。

多くのメーカーが集まる浅草で毎年行われていた「浅草レザーフェア」が、コロナ禍で中止となったため、神戸レザークロスが主体となり資材メーカーに声をかけ、個展の期間を合わせました。コロナ禍だからと諦めるのではなく、多くのお客様が効率よく各社を周れる様に配慮し、さらに、浅草レザーフェアの登録名簿に案内状を送ることで、来社を促し、1社でも多くのビジネスに繋げたいという思いがあります。

今回の展示会のテーマは「AMPED」。“待ちきれない、エネルギッシュで陽気”という前向きな気持ちを込め、カラーもピンク、オレンジ、グリーン、ライラック、ホワイト、ベージュ~ブラウンを取り揃えます。

■ かつての「エスペランサ」ファンにも新たな魅力を伝えたい

「エスペランサ」開発  豆生田 幸恵さん

1966年のデビュー以来、時代のトレンドを色濃く反映し、20~30代の女性から圧倒的な支持を集めて来た「エスペランサ」は、今シーズンブランド初のリブランディングを行いました。

昨今のお客様のニーズが、履き心地の追求やオフィスにおいても着こなしのカジュアル化が進んだことで、フラットシューズやモード感溢れるサンダルのバリエーションまで、商品構成を刷新。また、店舗内装も新たにブランドカラーに設定したピンクベージュをアイコンにリニューアルをしています。今回は、開発の豆生田さんにインタビューを行いました。

――豆生田さんインタビュー

前職はアパレルメーカーで企画を行っていました。転職をして3年「エスペランサ」に携わっています。

その前には、SHIBUYA109で販売員としてアルバイトもしていました。ですから消費者として「エスペランサ」に出会ったのはその時なんです。世の中に「エスペランサ」がぐっと認知を広げた時をリアルに知っていて、当時の109の熱気も体感しています。楽しくて、独自のファッション文化がありましたよね。セールなんてもうお祭りでした。

当時の販売員の多くが「エスペランサ」を愛用していました。ファッション性はもちろん、販売員として1日中ずっと履いていても痛くならなくて、買い易い価格帯も魅力だった。

前社を退職してから、語学の勉強や市場を見たいという気持ちが高まり、3年ほどワーキングホリデーに出ました。その後「エスペランサ」に入社をしたのは、前職で企画を行っていた時に、OEMを神戸レザークロスに依頼をしていた縁で、声を掛けていただきました。

取引を通して知っている会社でしたから、安心して入社できましたし、ファッションはもちろん、靴も好きで、自分が買い物をする時も靴から見ることが多かったので、業界は変わっても馴染むことができました。以降「エスペランサ」のデザイン、開発を行っています。

開発は現在1人で、今回のリニューアルにも携わりました。大規模なリニューアルはブランドデビュー以来初めてです。

やはり考えるのは、自分も知っていた頃の「エスペランサ」ファンのお客様たちが大人になって、新しい「エスペランサ」の魅力を知って戻ってきて欲しいということ。もちろん、そこに加えて、新しいお客様にも広げていきたいです。

リニューアルをしても変わらない強みは、109時代に皆が感じた1日履いても疲れない心地よさ、足入れの良さ。このベースがあって更に商品、店舗の両軸でアプローチをしていきたいです。

今回のリニューアルでは、全体のMDを「Urban Trend」「Neo Basic」「Healthy Femininity」の3つに整理しました。加えて昨今のワンマイルスタイルやおうちニーズに沿った品揃として、新たなコンテンツ「In LIFE」を6月末から展開します。価値感はどんどん変化しますから、求められるバリエーションを心がけています。

 コロナ禍で海外の展示会には行けなくなりましたが、いろいろな情報は集めています。PinterestなどSNSでも気になるものをチェックできますし、コンペティターの店も見ます。ファストファッションはやはりトレンドを入れるのは上手ですよね。コレクションやモード系の情報ももちろん把握します。

それから私は“靴ウォッチ”をします。渋谷で、新宿で、街を行き交う女性の靴を観察する。仕事でもありますが、今、女性がどんなファッションにどんな靴を合わせているかを見るのは素直に楽しい。リアルに今のニーズを体感することは、開発に携わる者として大切にしていることです。

将来の目標は、まずはリニューアルをした「エスペランサ」を多くの方に知っていただくこと。個人的には海外に日本の文化を伝えるようなことにも興味がありますね。たとえば金継ぎ(きんつぎ)などの日本ならではの繊細な技法。やっぱりもの作りが好きなのかもしれません。

今夏の商品イメージ。軽やかなサンダルをコーディネートで打ち出し。今後よりファッションと共に打ち出しをしたい。

次回は、神戸レザークロス後編として特許出願中の「NO BOX」の取組みについて
インタビューを交えて特集します。お楽しみに。

神戸レザークロス https://www.kobe-leather.co.jp/business/wholesale/oem-odm/
エスペランサ   https://store.world.co.jp/s/brand/esperanza/

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