あの人のB面 Vol.10 飯髙宏さん

好き

ワールドグループで名前だけ耳にしたことがある“あの人”の、普段目にすることができないプライベートの部分や、これまでの人生について掘り下げていく「あの人のB面」。第10回は株式会社スタイルフォースの社長を務める飯髙宏さんです。

【プロフィール】
いいだかひろし/1975年11月26日、大阪府豊中市に生まれる。ワールドグループへの入社は2021年5月。出身高校はダンス部が有名な大阪府立箕面(みのお)高校。「私自身はあまりダンスには興味が無いです(笑)」

偏った、自由な人間になって欲しい

飯髙さん、本日はよろしくお願いいたします!まずは現在の業務内容について教えてください。

現在の最も大きなミッションはスタイルフォース内の既存ブランドの立て直しです。それを達成するうえで注力しているのは、働いているスタッフのマインドを変化させることですね。ワールドグループに入社し、社員の皆さんと接して思ったのが、良くも悪くも優等生が多いということです。なので、皆さんには良い意味でもっと偏った、自由な人間になって欲しいと考えています。年齢やレイヤー関係なく、自分のやりたいことをぶつけていくような、そういう意識を醸成していきたいです。

根底の部分から変えていこうとしているんですね。以前WWDの記事で飯髙さんが「一度ぶっ壊す」というお話をされているのを目にしました。現状を壊した後の、飯髙さんの思うスタイルフォースの理想像などはありますか?

あの記事はTHE SHOP TKのリブランディングについての内容で、言葉のせいで少し大げさな見え方になってしまいましたね(笑)。でも事業規模の拡大やブランドの認知などは一度置いておいて、現在強く思っているのは、スタッフの皆さんがTHE SHOP TKで働いていることを家族や友達に自慢できるようなブランドにしていきたい、ということです。今までは働くスタッフから、ブランドへの愛や納得感をあまり感じなかったんです。ここが解消されれば、さっき言ったようなアイデアをぶつけあって、前向きな意見や行動に繋がる雰囲気がブランド内に生まれると思うんです。

確かに、ブランドへの想いが強くなれば、発言や行動もより活発になりそうです。

リブランディングを始める前、昨年の11月くらいにエリア内の店舗を全て回り、店長達にこのような方針を説明していたとき、「自分がファッション業界にいることを思い出した」「最近ファッションを取り扱っているという感覚を忘れていた」と言われたのが印象的でした。それだけ外向きの意識が減っていたんです。その様な状態を解消するため、応対の一つからでも変えていくことができればと考えています。

やはり、意識の部分に注力しているんですね。

自衛隊に志願したこともあります

ワールドグループに入社する前のご経歴を教えてください。

学生時代まで話が遡るのですが、高校2年生くらいの時、なぜ人は生きるのか、という答えの出ない問いに悩まされていたんです。その時は学校も行く気がなくなり、バイクに乗ったり麻雀に明け暮れていて、人生の目的を見失っていました。そのまま高校は卒業したのですが、進学も就職もせずにアルバイトをする生活をしていました。ガソリンスタンド、材木工場、ジャンボジェットの塗装や高速道路の照明拭きみたいな高所作業まで、主に肉体労働をやっていましたね。それが2年くらい続いた時、ふと国の役に立つ仕事に就きたいと考え、自衛隊に志願したんです。その結果、幹部候補生として合格しました。

高校時代の飯髙さん(写真左)

激動の数年間ですね…。結局入隊されたんですか?

いや、入隊の1か月前にスノーボードで木に激突して脚を骨折してしまったため、資格を取り消されてしまいました。当時の自衛隊は人が足りていなかったみたいで、わざわざ自衛官が家まで来て、もう一度受けないかと相談までされました。もう気持ちが動かなくなってしまい、断りましたけどね。「ヘリコプター乗せてあげるから」って不思議な説得をされたんですけど、そういう問題じゃなかったので答えは変わりませんでした(笑)。

松葉杖をつく飯髙さん

その怪我が人生の分かれ道だったんですね。

そうですね。その後、当時からファッションが好きだったので、アパレルショップでアルバイトを3年間しました。そして23歳になった時、かねてから興味のあった前職の株式会社ベイクルーズにEDIFICE(エディフィス)のスタッフとして入社しました。運がよかったのか入社4ヶ月で店長になれて、その2年後にSV、更に1年後に課長に抜てきされ、その後35歳で取締役になったんです。計22年間在籍していたのですが、EDIT.FOR LULU(エディット フォー ルル)のディレクターをしていた時はメゾンブランドの仕入れ、アウトレット事業にいた時は在庫消化、と様々な業務に携わりました。

ファッション業界に入ってからも幅広い経験をされているんですね!

毎週欠かさず古着屋巡り

お休みの日はどんな過ごし方をされていますか?

毎週一回、絶対に古着屋巡りをしています。夏季休暇などの長い休みが取れると、アメリカに行ってレンタカーを借りて、現地の古着屋やアンティークモール、フリーマーケットなどを10日間くらいかけて、買い付けみたいに巡っています。自分の着こなしの中でヴィンテージの古着は欠かせない要素ですね。さらにいくら探しても毎回新しい発見があり、常に新鮮であり続けるので、飽きることもないです。

すごい!アメリカまで行くんですね!どのようなきっかけで古着が好きになったんですか?

母親が洋服好きで、小さい頃から回りと少し違うものを着せられていたので、もともとファッションには興味がありました。加えてアメカジが流行っていた世代なので、学生時から大阪のアメリカ村やフリーマーケットによく行ってました。それも古着好きになるきっかけの一つでしたね。服好きが高じて当時は関西のファッション雑誌『カジカジ』にモデルとして載ったりしていました。

フリーマーケットを楽しむ飯高さん
『カジカジ』に掲載されたスナップ
『カジカジ』にモデルとして出演

ものすごくお洒落です!古着の他に趣味などはありますか?

ベイクルーズに入社したあたりから仕事が忙しくなり、趣味にあてる時間が少なくなってしまったので、現在は古着のみです。それまではサーフィン、スノーボード、スケートボード、あとはバイクとかいろいろあったんですけどね。バイクは、大きな怪我こそなかったものの3台廃車にして、いい加減危ないなと思ってやめました(笑)。当時はトラックとトラックの間を加速してすり抜けたり、危ない乗り方をしていました。今思えばよく生きてたなと思います…。

ハードボイルドなエピソードですね…。

もっと困らせてほしい

それでは最後に、ワールドグループの皆さんに向けて一言、お願いいたします!

入社して1年程ですが、ワールドグループはチームで仕事をする風土が形成されていて、とても良い会社だなと感じています。ただ一方で、個人的な見解ですが、個の力が少し小さくて、わがままさに欠ける一面があるようにも思います。私は現在、社長という役職についていますが、正直もっと社員に困らせてほしいんです。うっとうしいくらい、挑戦したいことや面白いと思うことをぶつけてきて欲しいんです。ファッションを生業としているので、個性をもっとわがままに発揮して、自分たちが楽しむことができれば、それを通してお客様の人生もより楽しく豊かにできるのではないかと思っています。

飯髙さん、お忙しいところ、ありがとうございました!

インタビューを終えて

ある時は人生に迷い、またある時は新しい環境に飛び込もうとする飯高さんのお話を伺うことができました。今回のインタビューを通して、物事をよく考える思考力と、興味のあることをすぐに実行する行動力の両立がとても重要であることを学びました。どちらかが欠けていても、ただの無鉄砲、または及び腰になってしまい、特に仕事と向き合う際は成果から離れていってしまうのではないでしょうか。これらの力をバランス良く持っていることが、ブレイクスルーを起こせる人の特徴なのだと感じました。今後は、公私共に立ち止まるべき時と前に進むべき時の判断を、改めて明確に意識していきたいです。
(聞き手:石平賢太朗)

コメントはこちらまで

新着記事

  • あの日の記憶を次世代に伝える  ー 阪神・淡路大震災 30年

  • 2月22日(土)開催!よみうりランド招待イベント 「ワールド スペシャルデー!」 ★参加申込 受付中★ 

  • 「WORLD GALLERY」写真募集スタート -ワールドグループの皆さんの活動を、写真でシェアしてください!

  • 全国美味いもん探しの旅 🎍 お正月編 🎍

  • 表彰店舗・ドレッサー紹介 🏆 今月は「リフレクト」京阪百貨店守口店、「リサマリ」 アトレ亀戸店 蜂谷 ゆりなさんにインタビュー!