サービスの基本 Vol.11

サービスにおける基本的な疑問に対して、店長のみなさんはそれぞれどう考え、行動しているのかを毎月ご紹介します。彼らの考える「サービスの基本」とは?
お聞きしたのは、こちらの店長

インディヴィ
ラージ
新潟伊勢丹店

インデックス
明石ビブレ店

リサマリ
新宿ルミネエスト店

ネクストドア
キテミテマツド店
今月の基本「秋冬モノをご提案するときのテクニック、教えてください」
まだまだ残暑が続くこの時季ですが、店舗には続々秋冬のウエアが入荷中。ではこんな時、どうやってお客様に秋冬の商材を促せばよいのか?店長たちの秘伝をお聞きしました。
■松原寿来店長(インディヴィ ラージ 新潟伊勢丹店)の場合

ご試着されるお客様には、3点セットでご提案
「シーズンの立ち上がりや新作の入荷は、ドレッサーの私たちもワクワクします。それをお客様にも感じていただけるよう一歩先を行く演出のVMDやVPにすることをまず気をつけています。応対では、お客様の言葉を否定せず受け止めながらゆっくりとお話をするようにします。例えば、まだ気温が高く秋物の購買意欲が上がらない時期は、お客様のその気持ちに同調しながら、「9月は五分袖や七分袖の一枚着、10月は上に何か羽織り、その頃にそろそろコートが入荷してきて…」と会話の中で秋から冬への着用イメージを一緒に想像していき、その過程の中でお客様のお手持ちアイテムと、お店のお勧めアイテムを比較しながら、ベストな商品を提案していきます。ご試着された時は、なるべくトップス+ボトム+羽織りの3点セットでご紹介し、実際に着ていただき、その季節の着用イメージを持ってもらうようにします。さらに個人的に気をつけていることは、素材の肌触りや質感、夏物とは違った柔らかさや暖かみなどを、より多くの言葉に表してお伝えすることです。そうすることでお客様の興味が増し、試着に繋がりやすくなります。試着して着心地の良さを体感していただくと、決定率もアップするような気がします」
プロフィール)
新潟県出身。1999年、ワールドに入社。ジ・エンポリアム、インデックスを経て、2003年にインディヴィ ラージ新潟伊勢丹店の店長に。その後、レギュラーサイズへの異動や2回の産休の後、ラージ店の店長として復職。休日の午後は、夕食やお弁当用の作り置きを作って、のんびり過ごすのが定番。「ビールを片手に、おかずをつまみながら楽しんでます」
■保田莉那店長(インデックス 明石ビブレ店)の場合

これからの時季、大事なのはスタイリング提案
「これからの季節は、着回しの方法のご提案やお客様のワードローブのヒアリングが重要なシーズンだと思います。秋冬商材は単価が高くなる分、お客様も吟味してお買い物をされる方が増えますよね。さらにこの時季のスタイリングは、トップス、ボトム、アウターの3つのバランスが重要になるため、よりコーディネートが難しくなるシーズンでもあります。そのためお客様にとって、いかに使えるアイテムなのかをしっかりお伝えし、しっかりスタイリング提案をすることが大切です。お客様の探している形や素材、気になるポイントなどをしっかり把握したうえで、普段使うアウターの丈などをヒアリング、そこから的確にご提案につなげることでお客様が納得して選んでいただけると思います。そのためには日々のスタイリングの勉強や商品知識がカギとなるはずです!」
プロフィール)
兵庫県神戸市出身。大学を卒業後、ワールドに入社。ショッパホリック、オペーク ドット クリップを経て、2020年2月にインデックス 明石ビブレ店の店長に。休日は、インスタグラムで気になったご飯屋さんをハシゴしたり、洋服やコスメの新作チェックをすることがほとんど。「家に籠ることはほとんどありません。三宮や梅田を歩いていると、トレンドがよくわかりますし、オシャレな人を見るととても刺激になります」
■渡辺綺らら店長(リサマリ 新宿ルミネエスト店)の場合

トレンドの先取りができるのは、インナーの特権です
「インナーは、洋服のように表から見てわかる部分ではないですし、さらに残暑が厳しいこの時季でも秋冬カラーをご着用いただけるので、「インナーからトレンドの秋冬カラーに衣替えしませんか?」とご提案させていただいてます。そして、秋冬の洋服をより綺麗に、快適に、そしてかわいく着用いただけるように、普段着用しているインナーだけでなく、秋冬に着用されてるアイテムをおうかがいします。例えば「ニットワンピはラインがでやすいので、インナーが響きにくいように、スリップやレースショーツがオススメです!」などと、着用したときのメリットなどが想像しやすくなるよう具体的にお伝えしています!」
プロフィール)
東京都出身。2016年9月、リサマリに入社。東急プラザ蒲田店、新宿ルミネエスト店へ経て、横浜ジョイナス店のオープニングで店長に就任。現在は新宿ルミネエスト店の店長として活躍。趣味は、美味しいご飯を食べること。「行ってみたかったごはん屋さんに行くのが、休日の楽しみです」
■佐々木祐一店長(ネクストドア キテミテマツド店)の場合

大事なのは、お客様に着用イメージを伝えられるか
「この時季からヘビーなアウターやコートをお客様にご提案するのは難しいかもしれません。しかしアウターなどの購入率が低い時季だからこそ、いかにすべてのお客様にご提案できるかがポイントだと考えています。9月中も残暑が厳しく“今着られるもの”を探しているお客様に「今日選んでくださったお品物と合わせて、来月(再来月)はこんなコート合わせのスタイリングがおすすめです」や「こんな色合わせだとこれからの季節に雰囲気出ます」などと、今から涼しくなる時季のことをイメージしていただいてご提案しています。個人的には、その場で決める必要はなく、他店よりいいご提案ができていれば、その日でなくとも必ずまたご来店、ご購入いただけると思っています。暑くてアウターやニットイメージしづらいというお客様に寄り添って共感をしてあげることが重要です」
プロフィール)
1984年生まれ。東京都杉並区高円寺出身。学生時代はバスケットボールに打ち込み、スポーツ推薦で大学の付属高校に入学。大学に進学後、新宿丸井メンズ館のボイコットにアルバイトとして入り、卒業後そのまま入社し、新店のボイコット 津田沼パルコ店に配属。27歳の時に立川グランデュオ店での店長を経て、TSTKに異動。その後、ネクストドア キテミテマツド店の店長に。趣味は、ゲーム、散歩、そしてNBA観戦。「休日は自宅でゲームをするか、浅草や谷中へ行き、長い時は半日以上散歩をしています」
取材を終えて
大事なのは、お客様に着用した時のイメージをしていただけるか。おっしゃる通りだと思います。よほどのことがない限り、汗をかきながらコートを買いたいと思わないはず。だからこそ、着用イメージが重要となってきます。佐々木店長の「他店よりいいご提案ができていれば、その日でなくとも必ずまたご来店、ご購入いただける」という言葉がとても印象的でした。






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