サービスの基本 Vol.13

好き

サービスにおける基本的な疑問に対して、店長のみなさんはそれぞれどう考え、行動しているのかを毎月ご紹介します。彼らの考える「サービスの基本」とは?

お聞きしたのは、こちらの店長

鈴木なつみ店長
オペーク ドット
クリップ
FKD宇都宮店
齋藤寛之店長
ドレステリア 
S-PAL仙台店

溝口小扶里店長
ピンクラテ 
イオンモール岡山店
鈴木哲也店長
ドゥールームー
高崎店

今月の基本「アウター戦線真っ只中!アウターをご提案するテクニック、教えてください」

本格的な冬を目の前に、コートやダウンジャケットといった重衣料アウターの需要が高くなってきました。そんなアウター類を店長たちはどのようにお客様にご提案しているのでしょうか?

■鈴木なつみ店長(オペーク ドット クリップ FKD宇都宮店)の場合

他社のアウター情報を必ず収集します

「アウターは、他社と比較されるお客様が多いので、他社のアウター情報も収集し、試着もします。お客様のアウター選びのこだわりポイントや買い替えなのか買い足しなのかを必ずお伺いするようにし、スムーズにお客様のニーズに合った商品をご提案できるようにしています。またアウターは、ワンサイズ上を選びがちですが、普段通りのサイズを選んでいただくことで、保温性が上がること、綺麗なシルエットで着ていただけることをお伝えし、商品価値を下げずにお客様満足に繋げられるようにしています」

プロフィール)
2003年入社。これまでに、およそ10ブランドのドレッサーを経験し、2021年よりオペーク ドット クリップへ。プライベートでは、中学生と高校生の母親であり、保護犬や保護猫を新しい家族へつなぐ活動も行う。環境問題にも興味があり、ワールド エコロモ キャンペーンやエコ商品の開発など、サステナブルな自社の取り組みに関心があります。「衣食住の衣も“環境に優しい”がマストだと思っています」

■齋藤寛之店長(ドレステリア S-PAL仙台店)の場合

心がけているのは、5つのポイント

「大切にしているポイントが5つあります。まずアウターをカテゴリーごとに分けておくということ。素材や丈の長さ、さらにはテイストやカラーなど自店のアイテムの中から3点以上比較できるようにしておきます。次にセールストークは“見た目”と“着心地”に対して、それぞれ2つ以上のポイントを用意しておくということ。3つ目は、ヒアリングポイントをまとめておくということ。お客様によって気になることは様々ですので、それに対してお答えできるように努めています。4つ目は、お客様に必ず試着していただくということ。見た目と着心地どちらかを重視しているのか?ヒアリングポイントからセールストークをお伝えし、ぜひお客様に試着してもらいましょう。そして5つ目は、お戻りいただくことを前提にご案内すること。お客様は自店以外のショップを必ず比較されるので、名刺やショップカードを必ず渡します。若手メンバーにはこの5つのポイントを常に意識して応対をしてもらっています」

プロフィール)
1985年生まれ。山形県で400年続く米農家の長男。中学生の頃からファッションが好きで、高校ではデザインを学ぶ。その後、服飾専門学校を卒業し、ワールドへ入社。タケオキクチで15年、ドレステリアで1年半勤務。休日は息子とカフェへ行くことが多い。「3か月に1度は旅行をしています」

■溝口小扶里店長(ピンクラテ イオンモール岡山店)の場合

アウター目的でないお客様にもさり気なくご提案をしています

「アウターを見られているお客様には必ずお声かけをして、商品の違いやセールスポイントをお伝えし、ニーズに合ったアウター選びのお手伝いをすることを店舗メンバー全員が出来るような体制にしています。また、アウター以外の商品をお買い上げのお客様にも、アウターがご入り用ではないかお声かけをしています。フィッテングされているお客様にもアウターを提案するようにしています。ご提案の回数をできるだけ増やすこと、そしてお声かけをすることを店舗全体で強化しています。もちろん各商品のセールスポイントの理解も大切にしています。季節や気温などのお話を絡めながらお話をしたり、ご本人に羽織っていただいて、どれが一番好きか選んでもらったり、お話する相手(ティーンズブランドなので保護者の方なのか、ご本人なのか)によってお話の仕方を変えたりする工夫も行っています」

プロフィール)
岡山県生まれ。2017年、ワールドに中途入社し、ハッシュアッシュ エブリイ津高の店長に。ハッシュアッシュのブランド終息に伴い、ピンクラテ イオンモール岡山店の店長に就任。趣味は音楽、映画、舞台鑑賞。「読書も好きなので、読書にも時間を費やしたいです」

■鈴木哲也店長(ドゥールームー 高崎店)の場合

まずはお客様の立場になって応対方法を考えます

「お客様へご提案する前に、自分自身の分析と周りの人との比較を行っています。どんな時に買おうと思うのか、実際にお店に行けば素直に買うか?そういったことを他の人との意見や情報を基に、色々なお客様を想定し、応対シミュレーションをしています。特にアウターを目的としてないお客様にはお戻りになることも想定し、会話の中で寒く感じたエピソードを話したり、聞いたりすることで“そろそろ必要かも”という意識変化を促しています。質よりも印象(視覚的判断)でほぼ決めるお客様が多いので、見た目の印象から入り、機能からデザイン性の説明という流れを心掛けてます

プロフィール)
神奈川県横浜出身。2008年に入社し、スタイルジャムのキッズ担当からスタート。その後、オペーク ドット クリップでサブ、店長で8年在籍(ららぽーと横浜、新百合ヶ丘、池袋エソラ、イオンモール高崎)。2021年4月にドゥールームー高崎店へ異動となり店長に。趣味は、神社仏閣巡り。「休日は、妻と自然の豊かな場所へ行くことが多いです」

取材を終えて

コートやダウンジャケットといったヘビーアウターは他のアイテムよりも価格が高くなることもあり、当然ながらお客様は購入することに対して慎重になります。その点をふまえて考えられた4人の店長のアイデアは、まさに納得のひとこと。もちろんアウター以外でも参考になるアイデアでしたので、是非ご参考にしてください。

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