ブランド力を上げるSNS活用術〜PINK-latte特集 -ピンクラテ屋号長 丸則貴さん、開発MD 森万由子さん対談-

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ワールドグループの多様なブランドの中でも、ティーンズマーケットに特化した商品やムーブメントを様々なソリューションで発信しているPINK-latte。PART 1では、InstagramやTwitterなど、ブランドの魅力を伝えるツールとして欠かせないSNSの活用法を株式会社ピンクラテの竹内光さんと、ワールド D-GROWTH戦略本部の松本千広さんのおふたりにインタビューしました。

part1はこちらから!

右)株式会社ピンクラテ マーケティング部 竹内光さん
左)株式会社ワールド D-GROWTH戦略本部 デジタルマーケティングラボ デジタルメディアPJT松本千広さん 

特集Part2では、PINK-latte全体のブランディングや独自のマーケティングについて、屋号長の丸則貴さん、開発MDの森万由子さんにお話しを伺います。

株式会社ピンクラテ 屋号長の丸則貴さん(左)、開発MDの森万由子さん(右)
PINK-latte原宿店にて

メンバーの熱量の高さとストリートのリサーチがブランディングの鍵

MOVING:ピンクラテ特集Part2では、屋号長の丸さんと新卒から開発MD・商品企画を担当している森さんにお話を伺います。現在、ティーンズマーケットをリードしている3大ブランドは「レピピアルマリオ」、「ラブトキシック」そして「ピンクラテ」と言われていますが、他の2ブランドと差別化するために意識していることは?

丸:ピンクラテは、現場のリサーチを軸としたマーケティングを大切にしています。そのリサーチで得た情報を蓄積し、スピード感を以って商品や内装に活かしているところが、ひとつの強みであり、差別化できているポイントではないかと思っています。また、新しいアイテムの開発や様々なコラボレーション企画に積極的に取り組み、新たな顧客の獲得と他ブランドとの差別化を測っています。もちろん、やっている施策は百発百中ではないけれど、ターゲットとなるティーン世代に喜んでもらいたい、そしてピンクラテを選んでほしいという想いがブランドの根本にあって、商品開発、宣伝販促、SNSでの発信をしていますし、ぶれないように力を入れているところでもあります。宣伝販促はわかりやすいところではモデル来店イベントなどを、学生たちの春休みや夏休みの時期に仕掛け、本部メンバーも総動員で参加しています。

森:私は新卒でピンクラテを希望して配属になったのですが、その理由は、中学生の頃、私自身がピンクラテのファンだったからなんです。当時、ブランドがデビューしたばかりでとても流行っていて、自分はもちろん、友達も着ていたので親近感がありました。自分自身はティーンを卒業しても、あの頃の気持ちをファンとして記憶していて、それが今、マーケティングをする上で“種”になることもあります。

丸:本部で活躍するメンバーも店頭出身者が多く、このブランドで働きたいという熱量の高いメンバーが集まっていて、そこはピンクラテの強みだと思っています。

グッズもSNSもさくらんぼ一色!? ティーンズトレンドはどこから来る?

MOVING:ティーンズトレンドとのタッチポイントは、どう作っているのでしょうか。

丸:直接ティーン世代からヒアリングができればいいのですが、身近にサンプル数が少ないこともあり、まずは雑誌『nicola』から情報を得ていることが多いですね。『nicola』は、小中学生のナンバーワンファッション誌で、ティーン世代のおしゃれなカルチャーに特化した紙媒体はこれしかないといっても過言ではありません。小学校4年生からスマートフォンを持っている世代ではあるものの、ファッションを勉強する媒体として、紙媒体は圧倒的に強い。ですから、『nicola』でどんな特集が組まれているか、どんなトレンドを打ち出しているかを隈なくチェックしてターゲットの興味関心を分析していきます。その他に直接声を拾う機会のひとつとして、『nicola』読者100名くらいが集まる小規模なイベントにブース出店をしてアンケートをとったり、女性の企画メンバーがサンプルをみてもらったりしながらヒアリングをし、反応を見て、企画に活かしています。

森:私は街に出てリアルなマーケットリサーチをしています。ティーンが多く集まる土日の原宿・竹下通りで彼女たちの服装をスナップで撮り、前月と比較しているのですが、それを見るだけでもトレンドの移り変わりはよくわかります。例えば、先月まではイヤリングをつけている子が多かったのに、今月から一斉にヘアピンに替わっているなど、ちょっとしたことではあるのですが、かなり早いスパンでがらりと移り変わります。また、竹下通りはトレンドの服をいち早く取り入れているおしゃれな子も多いので、そこから次の商品企画に反映させることもあります。

丸:確かに、移り変わりはすごく速いよね。

森:はい、見ていておもしろいですよね。そのトレンドの発信源のひとつとして、やはりSNSの影響は大きいと感じます。ティーンズマーケットのトレンドは、ピンクラテよりも少しお姉さん世代のブランドや韓国ブランドから降りてくるので、それらのアカウントはタイムリーにチェックするようにしています。例えば、今、ティーンの間でさくらんぼのモチーフが流行っているのですが、そのトレンドは韓国ブランドから来ています。グッズはもちろんですが、SNSでの文章の末尾に付ける絵文字までさくらんぼです(笑)。あと、今、竹下通りでは「イチゴアメ」が流行っていますが、こちらはYou Tubeから火がついたようです。そういう情報は、ツイッターのトレンドキーワードに挙がってくるんですよね。

丸:ピンクラテは原宿にオフィスがあり、竹下通りから歩いて5分の距離です。ティーンズカルチャーの中心地である原宿で、企画・開発のメンバーがリアルなトレンドをタイムリーに見ることはとても大切だと思っていますし、そのリアリティは、お取引先様への説得力にもつながっていると思います。

移り変わりが速いティーンズトレンドは、開発スピードと話題づくりが勝負!

MOVING:店舗や開発MDとの連動はどうしていますか?

丸:開発MDがキャッチしたティーンズトレンドは、すぐにBRMDに共有します。そしてBRMDは開発元を探し、すぐに店舗に品揃えできるようにしています。「今流行っているものは、ピンクラテで買える!」お客様にそう思って頂くために、ワールドの品質基準は大切にしながら、スピード感を以って開発を進めます。

森:SNSで人気のインフルエンサーとのコラボレーションもしています。昨年は、ティーンに人気のSNSであるTik Tokで20万人以上のフォロワーを持つインフルエンサーの「しなこ」(@ssshinako)とのコラボレーションをしました。ピンクラテのファンと彼女のファンの共通点が多く、親和性も高かったので原宿店限定でコラボ商品を発売しました。仕掛けた時期は、夏休みのお盆期間。東京だけでなく様々な場所からティーンが竹下通りに集まるタイミングだったこともあり、反響もすごく大きかったですね。

しなこ(@ssshinako)とのコラボレーションの数々。

丸:この時は、彼女自身が来店して宣伝をしてくれたり、SNSでも「ピンクラテで買えるよ」と誘導してくれたりしたことで、「しなこのインスタ見てきました!」というお客様もたくさんいらっしゃって、改めて彼女の発信力のすごさを目の当たりにしました。コラボレーション企画は新たなファンづくりにダイレクトにつながるので大切しています。また、他ブランドとのコラボでは、ピンクラテよりも少しお姉さんブランドとコラボをすることで、彼女たちの次につなげていければと思っています。ティーンズブランドの大きな特徴は、“卒業すること”です。「ピンクラテを卒業した後にはこんなブランドがおすすめだよ。こんなことに興味を持ったら、もっとファッションが好きになるし、おもしろくなるよ」というメッセージもそこには込めています。もちろんお客様ではあるけれど、それだけじゃない。ブランドを卒業した、その先のことを想うというのは、ブランドメンバーみんなが持っている大切な感情だと思います。

MOVING:“卒業するブランド”という言葉はとても印象的です。ブランドメンバーのチームワークもいいですね。

丸:みんな、移り変わりの速さに対応するスピード感は持っていますし、なるべく同じ目線で話し、考えるようにしています。私自身が意思決定をする際には、マーケットの空気感やタイミングとずれていないかを注意しています。

森:今、丸さんもおっしゃったとおり、このブランドで仕事をする上で強く意識するようになったのは、“タイミング”です。早すぎても、遅すぎてもいけないのがティーンズマーケットです。絶妙なタイミングを見るのが難しいのですが、そこがおもしろいところです。

丸:「今だ!」という時に、ちゃんとモノが店頭にあるという状況を作ること。これはどのブランドでも同じだと思いますが、ティーンズマーケットのスパンは独特だと思います。高校生の間で流行りはじめて、原宿でもちらほら見かけてくるくらいのタイミング。そうなると、中学生も「あ、これ流行っているんだ」と意識し始めて、「私もほしいな」と思う。これはティーン世代特有だと思いますが、お姉さん世代への憧れが強く、少しだけ背伸びをしたい。流行には乗り遅れたくないけど、早すぎるのは不安という気持ちがあるので、『nicola』のモデルやピンクラテのWEBモデルが興味関心を持っているものと同じものが欲しいんだと思います。『nicola』への宣伝投資は6年前からしっかりとやるようになり、毎月タイアップをしていることで事業も安定してきました。また、メーカー様との共有会をして、理解を高めてもらう取組みもしています。

森:共有会では、メーカー様にシーズンごとのテーマを共有して、そこからさらに、商品のイメージやリサーチやティーンズカルチャーも共有していきます。デザインだけでなく、リサーチから得たトレンドや分析予測を共有することで、よりぶれない商品作りに活かして頂いています。共有会後に提案を頂く際はシーズンテーマを反映してくれていて、親身になってモノ作りをしてくれますのでありがたいですね。

“ティーン世代は、必ずピンクラテを通る”

MOVING:最後に今後について。これからどんなことにチャレンジしていきたいですか?

丸:『nicola』の影響力は大きいので、引き続き軸を持ってやっていきたいと思っています。また、PINK-latte TVもメディアとしての認知も高まってきましたので、今後はピンクラテ社の事業に移管してさらに発展をさせていきたいと思っています。また、以前から卒業していくモデルたちと何らかの形でもう一度仕事をしたいと思っていたので、今一度起用し、インフルエンサービジネスをしていくことも視野に入れています。

マネキンもオリジナル。ヘアスタイルにもトレンドを取り入れている
店内をぐるりと囲むサイネージ
手の届きやすい雑貨類も充実
女の子の“欲しい!”が詰まったレイアウト

森:ファッションはもちろん、エンタメもカルチャーもティーンズと一緒に創る

コミュニティブランドに育てていきたいと思いますね。衣食住のライフスタイルと掛け算できるブランドだと思っていますので。実はオリジナルの自転車もあるんですよ!

丸:森さんが言ったように、洋服やファッション雑貨以外のことにもチャレンジしていきたいですね。“ティーン世代は、必ずピンクラテを通る”というように支持され続けるブランドでありたいです。

森:私にとってのピンクラテは、まさにそういうブランドでした。

丸:だから商品にロゴが入っていることが大事だったりするんですよね。ピンクラテを着て、週末に原宿に出かけて行くことで気分が高揚してくれたらいいな、と。

森:そうですね、これからもブランドを通して女の子を応援し続けていきたいです。

MOVING:ありがとうございました。

ティーンズマーケットという独特なカテゴリの中で、ストリートでのリアルなマーケットリサーチからSNSを通じたマーケティングや販促をスピード感を以って進めていくピンクラテ。絶妙なタイミングで仕掛けていく販促や店舗との連動の裏には、徹底的にターゲットに向かい合うメンバーそれぞれの責任感とチームワークがありました。

来月21日には、「PINK-latte TV」1周年をお祝いする初の単独ファンミーティング 「PLTV学園 #1」も開催するとのこと。こちらも楽しみです。

3月21日にワールド北青山ビルにて開催。
WEBモデルたちとのゲーム、プレゼントが当たる抽選、 最年長メンバー ユラリの卒業式など盛りだくさんの内容。

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