あの人のB面 Vol.15 木津 英之さん 

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ワールドグループで名前だけ耳にしたことがある“あの人”の、普段目にすることができないプライベートの部分や、これまでの人生について掘り下げていく「あの人のB面」。今回は、ワールドライフスタイルクリエーション副社長の木津 英之さんです。

プロフィール)
きつひでゆき/1972年11月生まれ。新潟県出身。大学卒業後、税理士会計事務所やインテリア関連の商社でキャリアを積み、2008年に現在のライフスタイルイノベーションの前進となる㈱ジェイテックスに入社。現在はワールドライフスタイルクリエーション副社長、ライフスタイルイノベーション企画管理部長、ファッションクロスの企画管理部長として活躍。

“初めての挑戦”を恐れずに積み重ねたキャリア

木津さん、本日はよろしくお願いいたします!まずは現在の所属部署と業務内容について教えてください。

現在はワールドライフスタイルクリエーション副社長、ライフスタイルイノベーション企画管理部長、ファッションクロスの企画管理部長にて、主に事業管理、経理財務人事などの業務に携わつつ、経営全般、事業全般に責任を負う立場におります。

ライフスタイル系の事業会社ですね。

現在のライフスタイルイノベーションの前進となる㈱ジェイテックスに入社したのが、2008年1月。前職での取引先でもあり、グループ常務執行役員の西川さんとのご縁もあって、ジョインしました。

なるほど。それ以前の木津さんのキャリアについて教えてください。

学生時代にダブルスクールをしていて、大学卒業後、新卒採用で、税理士会計事務所に就職しました。多くの顧客を抱える規模の大きな事務所でしたので、忙しい毎日でした。

手に職を、ということで学生の頃から目指していたのですか?

そうですね、自分の実力次第で、仕事ができるのではと思いまして。年間約50社程度を担当し、日中は、ほぼ企業様へお伺いし、夜、事務所に戻って、毎月最低でも3社、多い時で10社の決算・申告書の作成をしていたので、相当鍛えられました。6年半の間、様々な場面に遭遇し、経験値を積むことが出来ましたが、何社担当しても自分の会社ではないので、それ以上、中に入っていけないもどかしさを抱えていました。どこか1社に入って仕事をしたいと思うようになり、転職を決意しました。

他の税理士会計事務所ではなく、一般企業への転職ですね。

最終的に、当時、西川さんが社長を務めていたインテリア関連の商社に転職しました。今までとは異なるフィールドでの挑戦でしたので、とても新鮮でした。

その会社には5年間在籍してその後の転職で現在につながるのですね。

入社当時はワンズテラスの業績が厳しく、事業の立て直し、そこから再成長へとつなげるために全面改善に取り組みました。

「立て直せる」と信じられる姿勢、木津さんは元来ポジティブな方ですか?

もともと子供の頃からポジティブだったと思いますが、経験を重ねる中で、さらにポジティブさが増していったと思います。ネガティブなものからは、何も生まれません。会社を立て直すには、一人一人が自分事としてとらえ、自発的に取り組める環境をつくることが重要なので、否定から入らず、他人に要求する前に、関わる方々から自分自身が信頼して頂くことを意識して取り組んできました。

「ないものはつくる」中学校長に直談判する小学生

先ほど、子供の頃からポジティブというお話がありましたが、どんな学校生活を送っていたのでしょうか。

小学生の頃はそろばんとバスケをやっていて、そろばんは4段、バスケはキャプテンでした。バスケは中学校でもやりたかったのですが、男子バスケ部がなかったので、作ってもらおうと思い、同じ中学に進学する仲間と共に、入学式の前の日に校長先生にアポを取って会いにいきました。

小学生が、中学校校長にアポ取り⁉

バスケをやっている仲間は、たくさんいましたので。あと、その校長先生が新任だったのでチャンスがあるかな、と(笑)。いいところまで交渉出来ているなぁと思っていたのですが、残念ながら長年勤めている教頭先生の一言で撃沈しました。。

結構行動的なんですね。小学生の頃からキャプテンということは元来リーダー気質なのでしょうか。

一度も自分からというのはないですが…高校も大学もずっと部長で、中学では生徒会副会長もやりました。

結局、中学校の頃は何部へ?

陸上部へ。全国大会に行く選手もいる強豪でまわりに引っ張られて自分も頑張りました。もともと肺活量が当時の高校生の平均を超えていて、数値的にも向いてると思ったので800メートルなどの中距離を選びました。

適性についても昔から数字で理論的に物事を考えるタイプなんですね。高校は?

高校はラグビー部です。県内の強豪校で、新潟県の選抜選手に選ばれて、全国で12チームしか出られない国体にも行きました。進学校だったので、ほとんどが3年生の春で引退する中、私は冬の花園を目指しました。キャプテンとして80人近いチームをまとめ、最後の大会で優勝することだけを考えて挑みましたが、願いは叶いませんでした。敗戦後、みんなの労をねぎらい、笑顔で解散しましたが、帰り道、ひとり泣きました。涙が止まらなかったのを今でも覚えています。

高校ラグビー部時代、新聞にも取り上げられた。写真一番左が木津さん。

普段、辛いことや挫折も多かったですが、県選抜での交流も幸いし、他校の監督や選手から客観的な評価を頂くことが多く、とても心の支えになりました。視野を広く持ち、多面的な角度から考える習慣がつき、うまくいかないときでも根拠なく落ち込むことがなくなりました。

ラグビーに青春をささげた高校時代。
1列目ボールの前に座っているのが木津さん。
高校の修学旅行の時。
県大会優勝の時、優勝旗を手に。

体育会系まっしぐら、かと思いきや…

大学でも体育会系に?

いえ、オーケストラ部です。

これまた大きな方向転換ですね。

このままラグビーを続けたら視野が狭くなると思いました。高校時代、チームを意識するあまり、自分のプレーがベストだったと言い切れない状態での引退でした。もっとがんばれたのではないかという気持ちが頭から離れない。一方で、また同じラグビーに没頭することで、失うものも大きいのではないか。だったら、フィールドを変えた上で、同じ後悔をしないように取り組めば良いのではないかと思うようになりました。

それで、全く違うジャンルに飛び込んだんですね。

勝敗がつかないものに取り組もうと思うようになり、もともとクラシックが好きだったのでオーケストラ部へ。結構本格的にやっていて、イタリア人のプロの方が指揮者で部員のほとんどが経験者の中、僕は全くの初心者。それまで触ったこともないバイオリンを選んで、最初は結構大変でした。

初心者だったけれど、そこでも部長だったのですよね。

そうなんです、そこでも部長。さすがに想定外でした。

小学生の頃に続き、またもや直談判に

過去の詳細な経緯はわかりませんが、何かしらのトラブルにより、私が入団した頃には、卒業式や入学式などの式典での生演奏をさせてもらえない状態になっていました。私は、良い演奏をすれば団員獲得にもつながるので、復活させるべく、学長に直接会いに行きました。文化的な取り組みや具体的な運営についての提案を進めながら、秘書の方を通じて、何回も交渉し、何とか実現にこぎつけました。少しずつ信頼を得ることができ、1年後には、予算もつけてもらえるようになりました。それから、十年後、卒業式に立ち会う機会があった際、その当時の秘書の方にお会いし「あの時、まいた種は、こんな風に花を咲かせましたよ」と言って頂き、本格的なオーケストラになっている姿を見て、とてもうれしかったことを覚えています。思いは、時間をかけてつながるということを実感した瞬間でした。小学生の時に自分でアポ取りの電話をして、会いに行ったことは無駄ではなかったかもしれません。

普通だったら「しょうがないよね」ってあきらめる人が多い中、木津さんはあきらめないですよね。

ベストを尽くして、最後は、気持ちで訴えれば意外といけちゃうんじゃないかって思うんです。心に響けば、何かしらつながるものです。やるだけやって、だめならだめでいいじゃないかって思います。

そのポジティブさはどこからくるのでしょうか。

うーん、考え方がシンプルなんでしょうね。もっと、良いアイデアがないかと考えるのが好きですね。

大学時代、オーケストラ部の先輩を訪ねてバイクでツーリング。テントを持って旅をした。

その後、オーケストラは続けているんですか?

今はお休みしていますが、社会人になってから20年ほど続けていました。市民オーケストラに入って年2回あるコンサートに向けて毎週練習していました。今は、演奏を聴くのが主ですが、時間を作れるようになったら、またやりたいですね。今は、限られた時間を利用して、休日に趣味で木のレリーフを作ったりしています。

美しいヒマワリの花が描かれたレリーフ

頑張っていない人なんていないから、自分を褒めよう

それでは最後に、ワールドグループのみなさんに向けて一言、お願いいたします!

私からお伝えしたいことは、どんな時も自分の力を信じてほしいということです。必ずみんな得意なことがあり、役割があると思います。頑張っていない人などいません。出来ないことばかりに目を向けず、一歩一歩前進しながら、毎日、自分自身を褒めてあげてほしいですね。そこからしか良い仕事はできません。凹んだり、反省することがあっても、必要以上に自分を責めないで下さい。自分を信じていれば、必ず、乗り切れます! それと、仕事は一人ではできません。チームで仕事をするということは、そこに信頼関係がなければ成立しません。どんなに正論を話しても、信頼されなければ、リーダーであろうとスタッフであろうと立場に関係なく、誰も耳を傾けないでしょう。ましてや、心も動かないでしょう。人は、共感できないものには、頑張れません。一人一人がお互いを信じ、助け合い、信頼関係を築くことで、良いチームになっていくと思います。私自身も新たな気づきや学びを通じて、多くのことを吸収しながら、自分自身の考えを深化させていけたらと思っています。

めちゃめちゃポジティブな気持ちになってきました。

そうですか、嬉しいです。あともう一つ、私がワールドグループに入社した当時の経営方針説明会で「一人の百歩より、百人の一歩」という言葉を取り上げていました。一人で百歩ではなく、一歩でいいからみんなで。今こそ、それが必要な時だと思います。

木津さん、本日はありがとうございました!

取材を終えて

ポジティブなマインドで人を巻き込んでいく木津さん。果敢にチャレンジをして、たとえ失敗したとしても、そのことを経験として次に活かしていく強さとまわりの人を信じるやさしさ。お話を聴いた後、心が軽くなっていました。自分を解放して、一緒に仕事をする仲間を信じて、手を携えてみんなで一歩を踏み出していく。スーパーポジティブな木津さんからパワーをもらいました。ちなみに「一人の百歩より、百人の一歩」という言葉は、日本電産創業者の永守重信さんの言葉だそうです。

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