25周年を迎えた「アンタイトル」 上質を日常で着るよろこびを、すべての女性に。

―――上質を日常で着るよろこびを、すべての女性に
過去から今、そしてこの先の未来をつなぐ普遍的な合言葉―――
1995年春のブランドデビューからキャリアブランドの一線を走り続け、百貨店マーケットで存在感を放つ「アンタイトル」。時代と共にトレンドもニーズも変わる中で、普遍的なものがあります。それは顧客様にとって、大切なシーンで「アンタイトル」を着ていると安心をし、自分に寄り添ってくれる服であるということ。この信頼感を作り上げたのは、かつてブランドスタートからわずか1年というスピードで方向転換をしながら固めたブランドの礎が、現在まで脈々と流れているからです。今回は、これまでの軌跡を振り返ります。
■19年度 繊研新聞社 百貨店バイヤーズ賞 ベストセラー大賞を受賞

「アンタイトル」は今年、繊研新聞社が年に1回選定するベストセラー大賞に選ばれました。この賞は毎年年末に実施する、百貨店バイヤー様の投票で選定される賞です。「アンタイトル」は99年、04年、05年、16年度に大賞を受賞し、今回は3年ぶり5回目の受賞となりました。大賞は対象部門で1位になっただけでなく、レディースブランドの全てにおけるトップに輝く賞です。繊研新聞社の選考会議では「圧倒的な支持を得た」という報告も入りました。
投票いただいたバイヤー様からは、「大人の為の洗練された美しいシルエットで、オン・オフスタイルを提案」「顧客様からの離反阻止と獲得に向けた施策を連打」「リピーターから顧客様へのステップアップが増えた」「エフォートレスなキャリアエレガンスが根強く顧客様に好評」といったコメントが書き込まれました。「アンタイトル」が売り場で表現したいことが伝わり評価頂いたということは、バイヤー様と日々接する、最前線に立つドレッサーや営業担当の細やかなコミュニケーションの積み重ねでもあります。
毎年華やかに開催される授賞式は、コロナウイルスの影響で行われませんでしたが、ブランドメンバー全員で来年度もバイヤー様から多くの共感が得られる様、受賞を目指します。

■00年代はじめには既にデジタルにも軸足を置き、CRMを開始
デジタルやCRM(顧客関係管理)は、実は20年前から「アンタイトル」が次世代を見据え取り組んできたものです。横断的なオンラインストアの開始に先駆けて、03年には独自のサイトを立ち上げたほか、04年には当時の携帯電話を使った会員化とポイント付与を開始しています。またこれらと並行する形で、90年代後半から構築した「在庫誘導型の数量管理」と生産面の改革は、その後、ワールド全体のプラットフォームとして平準化される、店頭を軸としたMDモデルへと進化しました。
ロジカルな仕組みがMDを支える一方、「アンタイトル」の最大の魅力は、“上質を着る”というコンセプト通り、今、女性が着たいという気持ちにフィットしたデザインと品揃えです。更に、店頭と顧客様の声を聞きながら、定性情報とソフト面とが一体となり、柔軟に変化してきたことが店の顔をつくり、売り場を歩くとつい「着てみたい」と手に取る商品を生み出してきました。
顧客様に向けて、2004年から行っているロイヤルカスタマーフェアも「アンタイトル」を象徴する取組みです。初期企画をいち早くお披露目することで、ロイヤリティーを高め、既存店舗への誘導を推進し、顧客様の貴重な声を体感する場となっています。これらは、マネージャーやSVをはじめ、ドレッサーが大切に育ててきた顧客様との関係性によって成り立つフェアです。


■愛されるブランドとして輝き続け、次の世代へ

デビュー当時、「アンタイトル」は、ワールドグループで百貨店向けのブランドを展開していたノーブルグーでスタートし、当時は40代後半の団塊世代をターゲットにしていました。しかし、当時のニーズを踏まえ、その後の1年で修正を重ね、ターゲットを段階的に引き下げ、97年秋冬には現在のキャリア女性へとシフトしていきます。同時期に「アンタイトル」のイメージを決定付けたプロモーションとして、95年には山口智子さんを起用したテレビCMを放送、着用していたウールのロングジャケットが大ヒットとなりました。ニーズが多様化した現在において、ヒット商品1点に売れ筋が集中することは見られなくなりましたが、当時は驚くほど集中し、追加生産が追い付かないほどの現象に。その後も2004年にケイト・モスが着用したベルベットジャケットの大ヒットに代表されるように、プロモーション毎にブランド認知を拡大してきました。
「アンタイトル」の世界観を作るロゴデザインなどのブランディングの礎は、ブランドスタート時にほぼ固められています。たとえば、プロポーションバランスが考え抜かれたロゴは、ギフトボックスやリボンなどのパッケージに置きかえた時の配置も考えて、美しく仕上げられました。これらが書かれたコンセプトBOOKは、今も企画メンバーのデスクに大切にしまわれ、時々、読み返されます。


VMDを確立した頃の98年の店頭。店頭の見え方から、いかに売れ筋を作るのか、日々仕組みを作り上げた。
■次のニーズを見据えた「アンタイトル エッセンシャルクルー」

これまで、「アンタイトル」は複数のラインやコンテンツ、新たな屋号を有した店舗を展開することで検証を重ね、成長をしてきました。
2016年秋から開始した「UNTITLED essential clue(アンタイトル エッセンシャルクルー)」は、「アンタイトル」の顧客様が求める次のステージとして、都心型の店舗を中心に、上質かつコンテンポラリーなスタイルのニーズが今後ますます高まると考えてスタートしました。現在のキャリア女性が求めるエフォートレス感を捉えながら、インポートなどの上質な素材を用い、着心地を追求した高度なパターンメイキングと縫製技術によって仕上げています。女性が美しく見えるシルエットを重視し、使用する素材の特性を活かしてシックな雰囲気を醸し出すデザインに仕上げるなど、仕事からプライベートまで、あらゆる場面において“旬”を演出する、大人の女性の為の商品を揃えます。
袖を通すだけで、まるで包まれるような感覚になるアイテムはオンラインでも求められますので、社員の皆さまにもぜひ体感頂きたいです。
■アフターコロナだからこそ、今、原点に返り、一層女性に寄り添うブランドへ

時代ごとにキャリア市場のニーズを捉えたモノづくりを行ってきた「アンタイトル」は、今後も存在感を放ち続けるために、ブランドらしさの追求と、お客様に支持いただける“ブランドの顔”となる商品開発を強化します。 3年前に掲げた「上質を着る」というテーマを25周年を機に更に進化させ、店頭とブランドが一体となって、これまで以上にお客様と双方向でのコミュニケーションを大切に、頂いた声を商品に反映させながらブランドを育てていきます。
大賞受賞に寄せた、フィールズインターナショナル社長 丸山さんのコメント
※2020年5月14日(木)付繊研新聞への寄稿文。
昨年度の「インディヴィ」に続き、2年連続で当社から「アンタイトル」がベストセラー大賞をいただけましたこと、百貨店様をはじめご支援いただいた大勢の方に心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。「アンタイトル」としては3年ぶり、5回目の大賞受賞となりました。
3年前に掲げた「上質を着る」というテーマのもと、素材のクオリティーをベースに置きながら、デザインやシルエット、機能性、コーディネートまで、アンタイトルの服をまとうことでお客様が感じる「上質」は様々であると広く捉え、大切なシーンに味方になってくれるような、まとうことで自信になるような、女性に寄り添うブランドになることを目指してきました。
特にこの1年は、今まで以上にお客様ひとりひとりの声を真摯に受け止め、“お客様のご要望と「アンタイトル」としての提案をマッチさせ、お客様に支持される新しい商品を生み出すこと”に注力してきました。その愚直な活動が認められたこと、本当にうれしく思っています。
かつてない厳しい環境下ではありますが、いただいたこの賞を励みに、皆様のご期待にそえるよう、再び新たな価値を創ろうという気持ちでいっぱいです。引き続きのご支援・ご指導をよろしくお願い申し上げます。

株式会社フィールズインターナショナル 社長 丸山 紀之






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