空間に、家具に命を吹き込む
株式会社アスプルンド コントラクト事業部

好き

―――MOVING編集部は、(株)アスプルンド コントラクト事業部が公式サイトをオープンしたと聞き、さっそくショールームを兼ねた恵比寿店に向かいました。店内にはソファ、テーブル、チェアから、照明、インテリア雑貨までがコーナーごとにコーディネートされ、思わず取材を忘れ見入ってしまいそう。ワールドグループの皆さんにご紹介するために、まずは「コントラクト事業とは何?」というところからお話しを伺いました。

左)恵比寿駅から7分、代官山駅から5分ほどの駒沢通り沿いにある、ショップアスプルンド 恵比寿店
右)店長の松本真希さん。スタッフは個人のお客様と、法人のお客様の両方に応対できるスタッフが揃っています

BtoBとBtoCを兼用する恵比寿店。社名を掲げるショップはここだけで、アスプルンドを具現化した商品を揃える

アスプルンドの原点は、コントラクト事業に

右)コントラクト事業部 企画・営業 チームリーダー 兼)大阪オフィス所長 西澤信祐さん
左)コントラクト事業部 デザイナー 今井康介さん

――まず、コントラクト事業部の概要を教えて下さい。

西澤信祐さん
直営店「タイムレスコンフォート」の店長経験を経て本社勤務に

ホテル・カフェ・レストラン・公共施設、その他様々な空間に合った家具とインテリア商品を取り扱うのがコントラクト事業部です。取引は直接オーナー様の場合もありますし、建築・設計事務所や大手のゼネコン、施工会社の場合もあります。

対象となる施設のテーマとコンセプトに最適な商品を幅広く提案しており、わかりやすく言うと建築施工以外なので、言ってみれば部屋をひっくり返して落ちてくるもの全てを取り扱い、レイアウトして提案することができます。

まず、お客様と共に、デザインやカラー、マテリアルをコストや納期と合わせて細部にわたり打合せをします。その後、国内外の工場から最も適した場所で製作を開始し、完成から現場への納品はもちろん、家具の修理や張替などのアフターメンテナンスにいたるまで、きめ細やかに対応をしていきます。

カタログはもとより、サイズ・カラー等を変更したセミオーダーからフルオーダーまでお客様のご要望に沿った、カタログ以外の特注提案を交え、よりよい空間に仕上げていきます。

――コントラクト事業部でスタッフは何名いるのですか?

今井康介さん
コントラクト事業部の営業を経て、商品開発・企画を兼任。バイイングも行う

東京と大阪、福岡にもスタッフがいて、営業、企画、物流を含め30名ほどです。大阪は南堀江の「タイムレスコンフォート」内にオフィスを置き恵比寿と同様にショールーム兼ショップとして運営しています。卸、OEMそして小売の経験のあるスタッフがいるので、凝り固まらず様々な業種のコントラクトに繋げられます。また、職種に捉われず自由に仕事ができる社風も強みで、これらが他社との差別化に繋がっていると感じています。

多岐に亘る、法人向けの事業内容

1991年のアスプルンド創立時は、家具・雑貨等の輸入卸売と、OEM向け家具・雑貨の企画販売が主な事業でした。その後1995年に東京・自由が丘に、家具とインテリアに衣食住を加えた生活提案型店舗「タイムレスコンフォート」を出店しています。

コントラクト事業部は、海外ブランドの日本の総代理店としての機能もあり、emu(エミュー)、HALO(ハロー)、VINCENT SHEPPARD(ヴィンセント・シェパード)等の輸入をはじめ、フィリピンのセブ島では20年以上にわたりオリジナルブランドの商品をつくり続けています。

左)代表的なレザーのほかに個性的な色使いのソファも人気「HALO(ハロー)」
右)イタリア発の世界的ガーデンファニチャーブランド「emu(エミュー)」

“ラタン”を使ったフレンチカフェスタイルの先駆け

――イメージをするために、これまで手掛けた象徴的な店舗を教えて頂けますか?

ラタン(籐)を使ったフレンチカフェスタイルのファニチャー、これはアスプルンドの原点ともいえます。日本の飲食店に向けてはじめて発信したのはアスプルンドと言っても過言ではなく、今でもこのテイストを大切にしています。ラタンを使った家具には様々なバリエーションがありますが、ご要望にあわせて編み方・色・形状はカスタムが可能。編み込みも様々なパターンから空間に合ったものをお選びいただけるほか、こんな柄にしたいなどお客様のご要望を聞くこともできます。

デザインと編み込みで表情が変わるラタンの家具

ラタンのほかにも、代表的なものでは水牛の革を編み込んだものまで、創業当時から家具づくりと正面から向き合うなかで、フィリピン・セブ島をはじめとした熟練の職人によるクラフトマンシップに注目し、現地でのモノづくりを大切にしてきました。素材の厳選をはじめ、精巧なカットや丁寧な編み込み、丹念な貼り合わせなどの職人の手仕事が家具に命を吹き込みます。機械加工では決して味わうことのできない風合いは、出会った瞬間の美しさはもちろん、経年変化を独自の味わいへと変えていくのも魅力。海外ではほかにインドネシア、中国、ベトナム、タイにも提携工場があり、それぞれの土地で家具を生産しています。

長く使うほどに味わいが深まるラタン。

フィリピンは元々スペイン領だったこともあり、欧米とアジアの文化が融合した独自の雰囲気がモノづくりに現れる。

アスプルンドのフィルターを通して、その施設で「一番絵になる」「顔になる」場所を

――取引先にはどの様な業態が多いのでしょうか?

以前から主力となるのはカフェ・レストランですが、大きな分類としてはほかにホテル、ブライダル、オフィス、ショップがあります。ホテルは客室のお手伝いをすることもありますが、主にラウンジやVIPルームなどが多いですね。業態を限定せず多岐に亘ることと、お客様がアスプルンドにオーダーをする際は、オンリーワンや個性を求められるので、思い描いた通りの空間を創造するための仕組みを整えています。ホテルやレストランにはひとつとして同じものはありませんから、コントラクトスペースに最適なかたちで家具を提供する柔軟なオーダーシステムを用意しています。

ミドルアッパー以上の物件と、ラグジュアリーな空間づくりで力を発揮するアスプルンドにとって、こだわりをもった上質な空間は得意とするところであり、自分たちが目指すところでもあります。リゾートにおけるアウトドア家具のお仕事も多いですが、たとえば同じリゾートでも北海道と沖縄では求められるニーズが異なるので、現地に赴いたりして丁寧にニーズをお聞きして作り上げます。まだ名前は出せませんが、今手掛けているホテルも老舗旅館など由緒あるお客様が控えています。

リゾートでしたら、心に残る風景を作りあげるお手伝いを、ブライダルシーンであれば、格調高く気品ある空間の演出といったコンセプトに沿って、屋内外問わず様々なコントラクトユースにお応えすること、そして細部へのこだわりを持って家具を作るだけにとどまらず、家具を含めた空間全体を作りあげること、これこそがアスプルンドの考えるクラフトマンシップです。

三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア
ベラビスタ スパ&マリーナ尾道
びわ湖バレイ/びわ湖テラス
横浜インターコンチネンタルホテル/マリンブルー

グランピングファニチャーやシェアオフィスまで、新しいニーズにも

――新型コロナウイルス以降でニーズは変わると思いますか?また最近広がってきた傾向は?

アスプルンドは創業以来「ひとときの目立つトレンドよりも、色褪せることなく長く愛されるもの」を品揃えのテーマにしていますが、アスプルンドらしさを軸に置きながらも、時代の変化に沿って新しい提案も加えていきます。領域に垣根を設けず、自由な発想を持っていることも強みのひとつで、そのために常にアンテナをはっています。コロナウイルス以降はどの業界においてもまだ手探りだと思いますが、たとえば殺菌効果のある素材などのニーズが高まるかもしれません。そのほかでわかりやすいのは、グランピングファニチャーや、この3~4年では企業の福利厚生の一環もあり、洗練されたオフィスやシェアオフィスのオーダーは増えています。また、商業施設もパブリックスペースの環境づくりを強化しているので、家具と植物を組み合わせる空間など、新たな提案が求められています。

Glamping event GENERALPROBE

――その様な中、公式サイトをオープンさせたのですね?

これまでのカタログに加えて、より多くのお客様にご覧いただくために、WEBを通して発信していこうと開設しました。お客様が描く空間やプロジェクトのテーマに沿って最適な商品をお選びいただくために、ブランド毎の世界観を美しいビジュアルで表現するインテリアコーディネートの提案や、WEB限定商品も掲載しています。

展示会は、大使館や歴史的な建物で実施

展示会はカタログの発行のタームで実施していますが、たとえば大使館内で行ったり、都内の歴史的建造物を借り切り、そこに家具を搬入して空間を作り上げます。これまで小笠原伯爵邸(新宿)や赤坂プリンス クラシックハウスで行ったこともあります。感度の高いお取引先が多いので、その方たちの先を行く提案をする必要がありますし、営業を広げる上でも十分にアスプルンドが提案する世界観をご覧頂くことが大切ですから。もし、良い建物や空間があればぜひ教えて下さいね。

小笠原伯爵邸
赤坂プリンス クラシックハウス

西川社長からのメッセージ

ワールド グループ上級執行役員 兼 (株)アスプルンド 社長 
西川 信一さん

メンバーには、本当に自分達らしい、アスプルンドらしい案件や空間をやりなさいと言っています。企業理念である時代を超えて愛される価値「Timeless Value(タイムレスバリュー)」として、自分たちの手掛ける仕事に誇りを持って取り組んでいます。フィリピンでのモノづくりからスタートした、その土地の技術と素材を踏まえてつくりあげる家具の質感を大切に、空間に価値を見出してきました。

レストラン、ホテル、リゾートを得意とするアスプルンドのコントラクト事業ですが、今後、一層時代のニーズとフィットすると捉えています。価値がモノよりコト、そしてココロへと変化する中で、オフィスやパブリックスペースのほか、たとえば介護施設などもスタイリッシュで居心地の良い空間が求められます。

今回の公式サイトの開設で、従来の紙のカタログに加えてデジタルの領域にも広がり、柔軟な商品提案はもちろん、たとえば遠方で展示会にお越し頂けない方にも豊富なビジュアルでアスプルンドのスタイルをご覧いただくなど、ビジネスの広がりに期待をしています。

――取材を終えて――

コロナ禍で家にいる時間が増えたものの、リモートワークに慣れることに必死で、家の中を整えるために行ったこととしては断捨離をする程度でした。しかし今回ショールームに伺い、さらにカタログに広がる美しいインテリアコーディネートの世界を見ただけで、心がおだやかになり、生活に彩りを与えたくなる気持ちでいっぱいに。アスプルンドのコーポレートサイトに、「何気ない日常の中でも“驚き”と“感動”のある 小さくても最上のComfort(快適さ)をみなさまにお届けする」と書かれています。サイトやショップのSNSに広がる世界から、ぜひワールドグループの皆さまにも体感いただきたいと思います。

ASPLUND CONTRACT (アスプルンド コントラクト)  公式サイト

■ショップアスプルンド 恵比寿店 

東京都渋谷区恵比寿南3-5-7 デジタルゲートビル2F 

店舗地図

営業時間:11:00~20:00 (定休日:毎週水曜日)

ショップ公式サイト Intstagram にもインテリアのヒントがたくさん!

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