snails projectトークセッションレポート

今年8月、有楽町マルイ8階のイベントスペースで10日間にわたって開催された『#IFPJ POP-UP STORE』にsnails projectが参加しました。#IFPJとは、Inclusive Fashion Projectの略。ファッションを“メンズ”“レディス”の性別に分けず、“自分らしく” “自由自在”に表現し楽しむものと捉えてサイズ・カラー・デザインで自由に選べる、男女の垣根を越えたファッションを提案するプロジェクトです。さっそく会場に足を踏み入れてみましょう。


レインボーカラーに彩られた会場には、ワールドがサポートしているsnails projectをはじめUNITED COLORS OF BENETTONやUNIVERSAL OVERALLなど全部で11ブランドが出店。

会場内には一緒に試着ができるフィッティングルームやフォトブース、この場所に集まった方々が交流できるコミュニティスペースなど、体験型のサービスが用意されていました。また、商品の購入はオンラインにて。商品に付いているQRコードや各ショップのネット通販サイトから自分のペースで買い物が楽しめるのも時代にフィットしています。

期間中は様々なイベントも開催していて、8月23日には、ファッションやライフスタイルを通して”straight ally”の理解を広げていくsnails projectのプロジェクト・ディレクター安達功さんとイタリアを代表するグローバルカジュアルブランドUNITED COLORS OF BENETTONのベネトンジャパン株式会社代表取締役社長ダミアーノ・カンナリレさんのトークセッションが行われました。


高校生の頃に新宿で見たベネトンの広告がファッションの世界に入るきっかけになったという安達さん。今でこそ、Diversity(多様性)やInclusive(包括的)という言葉が普通に使われるようになっているけれど80年代に人権、環境といったことを広告で打ち出すファッションブランドは他にはなく、そのメッセージに大きなインパクトを受けたとのこと。そんな自身のアイデンティティの根っこにあるブランドの代表とのトークセッション。テーマは「ファッションから考える”インクルージョン”と”ダイバーシティ”」です。

セッションではDiversityやInclusiveといったキーワードと共に、それぞれのブランドが大切にしている“色”への考え方が語られました。例えば、ランドセル。今はカラフルなランドセルがありますが、少し前までは男の子は黒、女の子は赤というのが一般的。つまり、男の子は男の子らしく、女の子は女の子らしくというように、子供の頃から色によってジェンダーが縛られているという一面がありました。そんな中で色を開放したのが、UNITED COLORS OF BENETTON。ブランド名にはこんな思いが込められていました。「創業時、戦後の暗い時代に少しでも明るい気持ちになってほしいと思い、明るい色でニットをつくった。色をとても強いものと捉えていた創業者のルチアーノ氏はブランド名にCOLORを入れることでカラフルな商品という意味と共に、社会は一つの人種ではなく、たくさんの人種で成り立っているという意味も込めた」とダミアーノさんは語りました。一方で、それとは対照的に白と黒の商品が基調となっているsnails projectの安達さんにはこんな思いがありました。「白と黒は、まずは自分が一番好きな色であるということが大きい。白ははじまりの色、黒は終わりの色だと思っている。アルファベットで言えば、白がAで黒がZという感じ。白は何色にも染まり、そこから美しい色彩やグラデーションが生まれていく。一方黒は、どんな色が入っても変わらない。そう考えると、白は寛容性とオープンさを、黒はひとりひとりが持っている個性や大切な心を曲げない気持ちを表している。snails projectが白と黒で服をつくっているのは、その理由からなんです」そう語りました。


その後、それぞれのブランドにかける思い、ヴィジュアルへのこだわり、今後についてもトークは続き、最後に二人から会場に集まった方々へのメッセージとして、こんな言葉が贈られました。「DiversityやInclusiveというのは言葉にすると簡単だけど、実際は難しい。でもシンプルに、隣に座っている人や恋人、家族を今一度見なおしてみてほしい。そして、人のため、環境のためと思いを馳せるともっと素敵な人生になると思う」と安達さん。続いて、ダミアーノさんからは、「これからも怖がらずに互いを尊敬し合いながら、ファッションを楽しんでいってほしいと思う。社会に気づきを与えられるようなアプローチをとりながら、ファッションを通じて心からハッピーになってもらう活動を続けてきたいと思っている」と語りました。
お二人のファッションが持つ力や色に込めた思いを伺いながら、今一度DiversityやInclusive、社会課題や環境に対して、自分に何が出来るのかということを考えたとき、一人ひとりの出来ることは小さくても、まずは意識すること、そして小さなことでも自分なりに行動することの大切さをトークセッションを通じて教えてもらいました。
MOVINGでは、これからも様々なセミナーやイベントのレポートを取り上げていきます。おすすめのイベントや取り上げてほしい情報など、ぜひ編集局までお知らせください。






コメントはこちらまで