246st.MARKET出店ブランドインタビュー
~iwaigami 遠山正道さん編~
2020年6月24日よりNEWoMan YOKOHAMAで16日間に亘って開催された246st.MARKET 。
出店した個性豊かなブランドの魅力を伝えるべく、2020年入社メンバーが突撃インタビュー。その内容をリレー形式でお届けして参りましたがついにラストとなりました。
前回は荘加 真希さんが「gui」にインタビューしました。→gui 三津田 愛子さん×荘加 真希さん編
今回はMOVING編集局員・五十川がインタビューさせていただいた「iwaigami」をご紹介します。
iwaigamiの創業メンバーである、㈱スマイルズ代表取締役社長の遠山正道さんにお話を伺いました。

「もっともシンプルな結婚式」
iwaigamiのコンセプトは「もっともシンプルな結婚式」。桐の箱には折り紙の器に入った指輪と一緒に「小冊」が入っています。「小冊」を手に取り二人で読み上げ、指輪を交換し、二人の名を記して永遠の愛を誓います。

Q.「もっともシンプルな結婚式」をコンセプトに掲げたiwaigamiですが、インスピレーションを受けた「折紙礼法」とはどういうものですか?
A.折り目を正すという精神的な形、神聖な意味を持つことに想いを重ねました。
Q.そもそもiwaigami立ち上げるきっかけは?共に立ち上げたメンバーのみなさんについても教えてください。
A.一般的に、結婚=グラマラス・ゴージャスといった華やかなイメージを持つ人が多いと思うのですが、私が代表を務めるスマイルズという会社にはカルチャー女子が多くそこからヒントを得ました。結婚にもカルチャー要素を持たせたら新しい領域になるのではというのが最初の着想でした。今、6割のカップルが式や披露宴を挙げずに入籍している現状だと言います。ですが、せっかくの結婚は折り目を正して、契りを交わすべきだと思います。チャペルで式を挙げなくとも、神主さんや牧師さんがいなくとも、最低限二人がいればシンプルに契りは交わすことができる。結婚の実態を知ってからiwaigamiのコンセプトである「もっともシンプルな結婚」という考え方が固まりました。iwaigamiはスマイルズ、TO NINE、ディアマン、キギの4社合同でやっています。デザインはキギ。マネジメントはマーケティングに強いTO NINE 。ディアマンは指輪屋さんで中学の同級生でもあります。そして、僕らスマイルズは言い出しっぺとそれぞれ機能を分けています。iwaigamiのリングはベーシックなものをはじめとして、折り紙からインスピレーションを受けたデザイン、素材はプラチナとイエローゴールド、加工はマットと鏡面磨きというように様々にバリエーションがあるのですが、どのデザインを選んでも2つで18万円という定額モデルです。広く知ってもらうには広告打つという手法もありますが、僕としてはiwaigamiは細く長く、口コミでやっていきたかった。ちなみにオリジナルソングもあるんですよ(笑)。売り方は未だに試行錯誤中です。宝飾品としてジュエリー売り場にあるのとも違うし、ウェディングプランナーに売り込むのも違う。今のところは口コミでいいのかなと思っています。異なるジャンルに属する多様な仲間と共にiwaigamiをはじめとした色んなプロジェクトを並行して進めていくことで新たな価値提案が出来ればと思っています。
Q.iwaigamiが提案する「もっともシンプルな結婚式」は具体的にはどういうものなのでしょうか。
A.iwaigamiは結婚する二人だけでも完結できる「もっともシンプルな結婚の在り方」だと私は考えています。例えば、二人でよく行った思い出の山があったとしたら車で行って山道に車を止めてボンネットの上にポンと置いて式を始めてもいいし、もちろん実家でやるのもいい。明治維新の前の結婚式は家で鯛とか昆布を置いて三三九度やってという形式だったそうです。二人で契りを交わすというのは照れくさいこと。でも、このセットにはステキな詩が入っていてそれを二人で声を合わせて読むとグッとくるんですよ。二人で愛を確認するという契りを立てる凛とした感じが大事だと思います。
Q.場所やシチュエーションなど、これまでの事例を教えてください。
A.コロナ禍で生活様式も大きく変わりましたが、5月に鹿児島の1組のカップルが家婚みたいな形で利用してくれました。むしろステイホームの今の方がiwaigamiはフィットするよね、と色々な興味が重なっています。同性同士の結婚など自分たちらしい、自分たちなりの折り目の付け方というシンプルなスタート地点になれます。山の頂上で結婚式をしたご夫婦もいて、その方々は入籍して1年後に「まだ指輪を作っていなかった」と利用してくれました。他にも再婚する母が自分たち子供に対して遠慮していると、お子さんから母へのプレゼントとしての利用もありました。
Q.新たに入籍する方以外の方でも利用できそうですね。
A.結婚指輪っていうとこれから結婚する人しか発想しないと思いますが、指輪を既に持っている人にもお二人にとっての大切な節目で利用してもらえたら生活とか契りとか柔軟な発想が広がると思います。指輪は一個だけじゃなくて10年、20年という節目にあってもいいと思うんです。昭和と令和では折り目の付け方も違ってくるでしょうし、結婚の在り方を自分たちなりに設定してもらえたら。
Q.最後に、今後の展開と変わらずに大切にしていきたい想いを教えてください。
A.細く長く、口コミで。とは言え、POP UPで広く知っていただくチャンスを戴けるのは有り難い。当事者じゃなくとも興味を持ってもらえたら嬉しいですね。「もっともシンプルな結婚の在り方」というのは一人一人が自分の意思を持つということだと思います。何か型にはめられるわけではなくて自分自身で、一人一人が意思を持つことのきっかけにiwaigamiがなれればと思います。




246st.MARKETを通して普段あまりお話しする機会のないクリエイターの方々とご一緒してお話しする中で、日常のふとした瞬間の「あったらいいな」から様々な発想が生まれていることに改めて気付かせていただきました。既存の枠組みに捉われず、日常の小さな気付きから可能性を探ることで今の時代に必要とされる価値あるプロダクトやサービスが生み出される。新型コロナウイルスの流行によって私たちを取り巻く環境は一変し、新たな発想や着眼点が一層求められています。時代のニーズを掴んだより活発なクリエイションに期待するとともに、私自身も「気づき」を形にできるよう頑張りたいです。
全12回に亘ってお送り致しました、246st.MARKET出店ブランドインタビューはいかがでしたか。クリエイターの皆さんの想いをお届けできていれば幸いです。
次回の246st.MARKETの開催は10月に北青山ビルを予定しております。是非会場に足を運んでみてください。お待ちしております!






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