みんなが笑顔になる空間「Fika Fika」

2020.09.01好き

PEOPLE

fikafika

今回ご紹介するのは、㈱ワールドビジネスサポート(WBS）が運営するカフェ「Fika Fika（フィーカフィーカ）」。神戸、晴海、そして北青山に勤務されている方であれば、一度は“あの”焼き菓子を見たことがあるのではないでしょうか。あの美味しい焼き菓子を手作りし、また東京都杉並区に3店舗ある「フィーカフィーカ」の魅力に迫ります。

大事なのは信頼関係。それはどんな社会でも一緒ですよね

今回お話をうかがったのは、「フィーカフィーカ永福町店」の店長・加川聡子さん。元々料理に携わる仕事をしていた加川さんですが、障がい者の方々と一緒に働くことはここ「フィーカフィーカ」が初めてだったそうです。

「学生時代にボランティアで障がい者の方と触れ合う機会はあったのですが、仕事としては「フィーカフィーカ」が初めてでした。なので、障がい者に関する知識は一切なく、最初はやはり大変でした。ひたすら食券を数え続けているスタッフがいたり、テーブルにある砂糖やミルクの配置をずっと気にするスタッフがいたり…。みんな、ひとつのことに没頭しちゃうんですよね。でも年を重ねるごとにみんなも成長し、今では臨機応変にしっかり仕事をしてくれています」

障がい者に対する知識のなかった加川さんですが、メンバーと働くうちに気づいたことがありました。

「一番大事なのは、みんなと信頼関係を築くことだって気づいたんです。それって障がい者、健常者に関係なく、どんな社会、会社、コミュニティでも一緒ですよね。もちろん文字が読めなかったり、計算ができなかったり、苦手なこともありますが、逆に一人一人が得意な役割をもっています。その長所を把握し、伸ばしてあげることが私たちの仕事なんです。なので、うちのスタッフは、食器洗いのプロやテーブルセッティングのプロなど、全員がれっきとしたプロフェッショナルです」

全員が幸せになれるって素晴らしくないですか？

プロフェッショナルの集う「フィーカフィーカ」ですが、来店の8割は常連のお客様だそうです。そこにはこんな理由がありました。

「常連さんの大半は中高年の方々なのですが、みなさん、うちのメンバーに声をかけてくれるんです。そうするとうちのメンバーも嬉しいんですよね。で、嬉しいから彼らも自分が手伝ったメニューなどをお客様にオススメしたりして、どんどんコミュニケーションが深まっていくんです。一生懸命やってることが伝わるので、常連のみなさんも嬉しくなり、またメンバーに会いに来てくださって。そんな光景を見ている私も嬉しい気持ちになります。全員が幸せになれるって素晴らしくないですか？自分でいうのもなんですが、本当にいいお店だなって思います（笑）」

新聞を読んでいたら、うちのメンバーが！

お客様の話をされている時、加川さんがふと何かを思い出したかのように席を立ちました。持ってきたのは、小さな新聞の切り抜きでした。

「ちょうど3年前、新聞を読んでいたら偶然コレを見つけたんです。読者からの投稿コーナーなんですが、何の気なしに読んでいたんですが“これ、うちの石堂君のことだ！”って（笑）。名前はイニシャルでしたけど、間違いなく彼のことだと確信しました。しばらくしてからお客様に“投稿したら載ったのよ”って教えていただき、やはり石堂君のことを書いてくださったそうなんです。12年近く、フィーカフィーカで働いていますが、これが今のところ一番嬉しいできごとですね」

「フィーカフィーカ」の主役は、彼らです

石堂さんのことを自分のことのように嬉しそうに話す加川さんは、このフィーカフィーカで働くことがとにかく楽しいそうです。

「もちろん体力的にしんどいこともあります。お店を運営しながら、メンバーの支援をするので大変といえば大変かもしれません。でも、出勤するのが嫌だと思ったことは一度もありません。世の中には会社へ行くのが嫌っていう人、結構いますよね（笑）？そういう思いを一切していないのは本当に幸せです。それもこれもメンバーみんなのおかげです。私の元気の源は、楽しく仕事をしているみんなの姿を見ることです。正直なところ、人間関係ってあまり得意ではないんです（笑）。でもここまで続けられているのは、みんなと一緒だったからこそ。本当に感謝してますし、間違いなくこのお店の主役は、彼らです。コロナが落ち着いたら、以前のようにみんなでカラオケに行きたいんですよねぇ（笑）」