マスクの困りごとをリデザイン
~コオフクマスク2020 レポート
コロナ禍の新しい生活様式の中で、マスクは私たちの生活に欠かせないアイテムとなりました。色、形、素材、機能性を重視したものやファッション性を高めたものまで様々なデザインが生まれていますが、そんな中「マスクを着けづらい」「そもそもマスクがつけられない」といった困りごとを抱えている方々もいます。
そんな声を受けて、障がいがある人がある方のおしゃれの悩み・課題を理解し、リデザインする活動をしている任意団体コオフクが中心となって、この夏「CO-FUKU masQ」というプロジェクトが立ち上がりました。
「CO-FUKU masQ」は、既成のマスクでは着けづらい、こうしたらもっと着けやすいといった悩みや課題を障がい当事者の方々からヒアリングし、その困りごとを新たな発想とアイデアでリデザインし、解決していくプロジェクトです。
「課題は希望に変えられる」ワールド×コオフクの取組み
ワールドとコオフクはこれまでにも共に活動をしており、昨年の秋から冬にかけては「みなとコオフク塾」と題して、コートをテーマにワークショップを開催しています。ワールドグループのブランドである「オペーク ドット クリップ」と「THE SHOP TK」の既製のコートを用いてリデザイン。ブランドで商品開発に携わるメンバーやワールドビジネスサポートのメンバーも参加して、デザインと機能性を両立したコートを創り、今年2月の「わたしとコートと□展」でお披露目をしました。
みなとコオフク塾&わたしとコートと□展の開催レポートはこちらから



企業間の垣根を越えて
「CO-FUKU masQ」は、コオフクの呼びかけの下で、これまでコオフクと共にプロジェクトを実施してきた株式会社アダストリア、株式会社三陽商会、そしてワールドの3社が揃って参加しました。アパレルメーカーで培った技術力や経験値を活かして、困りごとを解決したいという気持ちは、ファッションに携わる者であれば当然のこと。そこに企業間の垣根はありません。障がい当事者の方々、一般公募で申し込んだ方々、そして各社メンバーが参加し、チームに分かれて「CO-FUKU masQ」のワークショップがスタートしました。
今回、ワールドグループからは「アンビルト タケオキクチ」のメンバーと、前回同様にワールドビジネスサポートのメンバーが参加しています。

DAY1:マスクを理解し、考える
今回のワークショップはコロナ禍の状況を踏まえてオンラインで開催されました。 コオフクのワークショップをする上で3つの大切にしていることがあります。
「この時間を楽しもう」
「参加者それぞれの価値観を受け入れよう」
「自分らしく貢献しよう」
この3つを参加者全員で確認し、マインドセットをした後は、さっそく6つのチームに分かれてオンラインワークショップの開始です。

まずは、当事者の方々から具体的な困りごとの共有から。例えば半身に麻痺があって片手しか使えない場合、マスクをつける時にどう困難なのか、目が不自由な方からはマスクの表裏や上下がわかりづらいといった悩みが共有され、それに対して、どのパーツをリデザインしたらつけやすくなるのかというアイデアが次々に生まれていきます。
コオフクのワークショップとしては初めてのオンラインでの開催。これまでであればその場で試着をしながら調整をし、リデザインを進めてきましたが、今回はそうはいきません。
でも、メンバーたちは手振り身振りやイラストを交えながら互いのアイデアや意見を伝え合い、ワークショップの2時間はあっという間に終了。各チームの成果報告をして、実際に形にしていくDAY2へと備えます。


DAY2:わたしたちのマスクをつくる
DAY2は、DAY1でディスカッションした困りごとをクリアにするためのデザインを実際にカタチにするためのワークショップ。各チーム、素材を持ち寄りながら世界に一つの「わたしたちのマスク」をつくっていきます。DAY1を経て、より具体的に素材を用いながら細部を詰めていきます。前回同様にオンラインではありますが、互いの意見をしっかりと伝えながら、それぞれのチームが困りごとを解決するマスクをつくり、各チームの成果を発表しました。ワークショップを通じて生まれたのはそれぞれの困りごとを解決するデザインでありながら、それは特殊な形ではなく、誰もが使いやすく、みんなにやさしいユニバーサルデザインでした。
困っている人に届けたい
各企業、団体が一つになってつくりあげた「CO-FUKU masQ」。この成果は、9月2日から7日間オンラインで開催される「超福祉展」の最終日、9月8日(火)のシンポジウムで発表されます。一人でも多くの方に今回の取組みを知っていただき、実際に困っている方に届けたい。その気持ちを胸に、今後製品化を進めていきますので、販売やお披露目など、新たな情報はMOVINGでもお伝えしていきます。








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