若手スタッフのみなさん、未来予想図はありますか？明確なビジョンがある人もいれば、反対にまだ何も決めていない人もいるでしょう。問題ありません、答えはひとつじゃないですから。今回はお二人のキャリアパスをご紹介します。あなたの未来をイメージする上で、何かのヒントになっていただけたら幸いです。

どんな仕事でも頑張っていれば、必ず誰かが見ていてくれます

OLから転職し、アルバイトからスタートしたアパレルのキャリア

THE SHOP TKのSPとして活躍する白川さんが、短大を卒業後に就職したのは、アパレルとは無関係の一般企業だったそうです。

「学生時代からファッションは大好きでした。高校を卒業したら服飾の専門学校に行くつもりだったんですが、両親からの反対にあい、短大へ。服飾系の学部だったので、ファッションの道に進もうと思ったんですが、結局はIT系の企業に就職しました。ファッションは仕事でなく、あくまで趣味として楽しむのがいいんじゃないかってその頃は思っていたので」

そんな考えは、すぐに変化しました。

「私はこの仕事が本当にしたかったのか？って自問自答するようになったんです（笑）。答えはすぐに出て退職を決意しました。退職後にいくつかのアパレルに応募し、運よくセレクトショップの某U社から内定をいただいたのですが、お断りをしました。ドレステリアで働きたかったからです。神南にあったドレステリアに衝撃を受け、わたしもここで働きたいと思ったんです。募集はしていなかったのですが、スタッフの方にお話したら当時のディレクターと連絡を取ってくださり、お会いすることになったんです。偶然なんですが、その直後に原宿店がオープンするということで、運よく採用していただけました。もちろんアルバイトとしてですが」

プレスになれたことと同じくらい、上司に評価してもらえたことが嬉しかった

大好きだったドレステリアで働けることになった白川さんですが、ワールドの正社員となったのはそれから2年後のことでした。

「好きなお店で働きたいという思いの方が強かったので、雇用形態にはあまりこだわっていませんでした。その後、正社員になりましたが、そのまま販売として働き、入社3年目に店頭VMDを担当することに。ドレステリアのプレスになったのは、それから2年後のことですね。元々プレスだった方が産休に入るということで、ディレクターからのご指名で担当することになりました。“VMDで表現できる人間は人に伝えられることも長けている”というのが、その理由だったそうです。上司にそのような評価をしてもらえたことや、私くらいの世代はプレスって花形なイメージだったこともあり、やっぱり嬉しかったですね」

時には、戸惑うことや不安になることも

ドレステリアのプレスを担当したのはおよそ7年間でした。

「産休を取らせていただいたんです。その後、復職しましたが、ドレステリアのプレスはすでに後任がいたので、私は宣伝部という部署で別ブランドのプレスを担当することになりました。それから間もなくして、現在のTHE SHOP TKヘ異動することになったんです。職種はプレスではなくSP（セールスプロモーション）として」

ブランドも変わり、職種も変わり、戸惑いも多かったそうです。

「扱う商品はもちろんですが、雰囲気もブランドによって違うんですよね。私はこの環境で本当にやっていけるのかなぁと不安になりました。でも異動してから5年が経ちましたが、今は楽しくやらせてもらってます。もちろん大変なこともありますし、まだまだわからないこともたくさんあります。でも、それはどの仕事でも一緒ですよね。今はSPとしてTHE SHOP TKを盛り上げられるように頑張っています」

チャンスはいろんなところに転がってるので、まずは行動を

アルバイトからスタートし、大好きなブランドのプレスになり、そして今でもSPとして活躍する白川さんが若いスタッフの方々に伝えたいことは？

「昔と違って、いろんなところにチャンスは転がっていると思うんですよね。SNSで自分から何かを発信するでもいいし、情報だって色々なところから得ることができる。なので、まずやりたいことが明確にある人は、今何すべきかを考え、様々な形で情報を収集し、そしてとにかく行動をする。もちろん、まだ何がやりたいか決まっていない人も沢山いると思います。決して急いで決める必要はありません。まずは、与えられた業務を一生懸命行うということでしょうか。そういった姿は必ず誰かが見てますし、それによってやりたいことが見つかるかもしれません。無駄なことなんてひとつもありません。プレスになりたい、デザイナーになりたい、もちろん販売を極めたい…どんなことでもいいと思います。自分の夢に向かって、前に前に進んでください」

仕事も遊びも、一生懸命楽しみましょう

Jリーガーを夢見た学生時代

「本気でJリーガーになろうと思っていました」

驚くべき夢を持たれていたUNBUILT TAKEO KIKUCHIの野内さん。福島県の強豪校から、大学サッカーの名門である国士舘大学サッカー部へ。しかし、ここで大きな壁にぶつかったそうです。

「大きな怪我をしてしまったんです。それまでは本気でJリーガーになることを目指して頑張っていたんですが、怪我をしたことで自分の中にある糸が切れてしまい…」

Jリーガーという大きな夢を絶たれた野内さんですが、「違う形でもいいからサッカーに関われたら」という思いもあり、教員免許も取得。しかし、そんな彼が就職先に選んだのは、教員でもスポーツ関係でもなく、ワールドストアパートナーズでした。

「学生時代がサッカー一色の生活だったということもあり、逆に新しいことにチャレンジしようと思いました。好きなことを仕事にと思い、WSP（ワールドストアパートナーズ）以外にも他のアパレルや、旅行代理店なども受けたんですけど、成人式の時、TAKEO KIKUCHIでスーツを作ったこともあり、お世話になろうと決めました（笑）」

仕事にも活かされた負けず嫌いな一面

最初に配属されたのは、ボイコット。学生時代の経験は、仕事にも通じるものがあったそうです。

「夢を叶えるために辛い練習にも耐えてきましたし、怪我による大きな挫折も味わいました。それより辛いことはないだろうって思えたのと、やっぱり他のスタッフや他の店舗には負けたくないという思いが強く、ひたすら仕事を全うしました。それもあってか入社2年目の4月に副店長、3年目の10月、入社して2年半で店長になることができました」

その後、2009年にはボイコットの店舗運営、2010年には全社横断のブロックリーダー、さらに2011年にはボイコットの東日本マネージャーと着実にキャリアアップを遂げた野内さん。当時はどんな夢をもっていたのでしょうか。

「漠然とですが、自分でブランドを立ち上げたいって思っていましたね。それは今も変わりませんが、実現させるためにも、まずは任されている仕事を一生懸命やろうと。もちろん結果を出すには自分一人でできるわけではないので、チーム一丸で取り組んできました。自分自身が頑張ることは当然大事ですが、一緒に仕事をしてくれている人たちが前を向いて、ともに頑張ってくれていたことが本当励みになりました。厳しいことを言うこともあったと思います。そんな中で一緒に頑張ってくれた周りの人たちに恵まれていたというのは自分にとってとても大きかったです。みんなで同じ目的を成し遂げるために結果を出す、これってサッカーとも相通ずるものがあると思います」

胸に刻んだ“向上心の追求”

その後、WEBの推進活動に携わってきた野内さんですが、2018年に新たな転機が訪れます。

「江口さん（現UNBUILT TAKEO KIKUCHI屋号長）に “UNBUILT TAKEO KIKUCHIという新しいブランドを立ち上げるから協力してほしい”と誘っていただきました。自分の成長につながるのではと思い快諾し、PR（プレス）を担当することになりました。SP（セールスプロモーション）的な部分にも携わり、今はUNBUILT TAKEO KIKUCHIをどのような方法で外へ発信するかということを常に考え、具現化しています。新しい事業に携われているっていうのは、本当にラッキーだったと思いますね」

これまでのキャリアを活かしつつ、新たなキャリアでも活躍する野内さん。そんな彼には昔から心に刻んだ座右の銘があるそうです。

「“向上心の追求”。高校時代からこの言葉を座右の銘にしています。サッカー部時代もこの言葉を胸に辛い練習も乗り越えてきました。やっぱり男たるもの、カッコよく見られたいし、どんな人からも憧れられる人になりたいじゃないですか（笑）」

仕事も遊びも、一生懸命楽しむ

向上心を追求し続ける野内さんから若いスタッフの方々へ伝えたいこととは？

「まずは、どんなことにも一生懸命楽しむということですかね。それは仕事でも遊びでも。私自身、仕事も真剣でしたが、同じくらい真剣に外で遊んでいました（笑）。いろんな人とコミュニケーションをとってきたことは、少なからず仕事にも活かされていると思います。あとは自分に厳しくしつつ、常に正直でいることを忘れないでほしいです。自分に甘い人間が他のスタッフに注意しても説得力ないじゃないですか。なので、仕事を楽しみながらも自分には厳しくしようと思っています。それができているかどうかは、周りのスタッフに聞いてみてください（笑）」