株式会社 ワールドスペースソリューションズ
~固定概念に捉われないクリエイティブ集団~

好き

――はじめに) MOVING編集より
私たちがいつも制作物やデザインをお願いしているワールドスペースソリューションズ(以下WSS)。
ひとりひとりとコミュニケーションをしていて何だか楽しい、話してみたいと思う魅力的な人ばかり。ということで、念願叶ってOURTEAMで取材をすることができました。インテリア、VMD、グラフィック、家具まで、完成度が高いユニークな物づくりとクリエイティブを生むのは、個の力が大きいと考えていたのですが、1つのプロジェクトに様々なメンバーが携わるのでコミュニケーション力が抜群。クリエイティビティを刺激しあえる環境があるからこそと痛感しました。そしてインタビューした4人ともに「先輩に学んだ」ことを何度も強調していたのが印象的。「ファッションとは感性を刺激するもの」。脈々と受け継がれるワールドグループのクリエイティブの源泉に触れることができました。

尊敬できる先輩たちと、ずっと好きな仕事ができている
空間・店舗デザイン・PM(プロジェクトマネジメント) 野村 玲子さん

新卒でVMDに入社し、7年目になります。大学は、大阪芸術大学のデザイン学科、インテリアコースで学びました。子供の頃から片づけが好きで、小さな部屋だったのですが、妹も巻き込んで楽しく模様替えをしたりしていて。だから、ずっと好きな仕事ができているんです。

入社時、今のWSSの前進となる部署に同期は4人いて、研修をしたのち、課題として“「イッツデモ」渋谷店の地階に送客をするためのVMD”をプレゼンしました。その後皆はブランドへ、私は1年半ほどかけてそれぞれの先輩達について、VMD、PM(プロジェクトマネジメント)、インテリア、設計の研修をしました。以降はプロト開発や設計に携わり、今は外販としてマンションのリノベーションのインテリアを手掛けているほか、グループ内の「ピンク ラテ」「グローブ」「オルべネ」も担当しています。リノベーションは売物件に対する家具のディスプレイで、先方様のイメージに対して、テーブルやソファーなどの色を決めて、資料を作成し提案していきます。

様々なコンセプトに対応するためにも、先輩たちから学んだのは、とにかく実際に見て、感じることだと思っています。昨日も横浜の商業施設に行き、丹生さん(丹生さんMOVING記事→https://test.world-moving.jp/new-employee-special-hiroyuki-nyuu/ )にポイントを解説していただきました。物販に留まらず、ホテル、商業施設、飲食も見ます。日本国内にも美しい施設や場所はすごく多くて、最近プライベートで印象に残ったのは、金沢の鈴木大拙館。建物の奥に、思索空間という無音の空間があり印象的でした。

WSSの先輩方は何といっても個性ある楽しい人が多い。足でちゃんと動いて、ひとりひとりは個性が強いけれどチームで結束して、そしてよく働く。若手の私たちには新しいことが求められているのだと思うけれど、まだまだ至らなくて。だって、おかしい事や面白いことを本気でとことん追及するメンバーばかりなんです。その気持ちって、すごく大事だと思います。洋服もそうですが、自分たちが“居たい”空間じゃないと売れませんし、外販でしたらメーカー様の心をつかめないんです。先輩たちは「0円はムリだけど、コストは関係ない」って、その中でやれることを、予想外で組み立てて見せてくれる。驚くことばかりです。

コロナで、ファッションはニーズがよりシンプルな方に向かうなと思っていたのですが、この前知り合いに誘われて北浜でやっている蚤の市に行ったら、ハイブランドをまとった女性がいっぱいいて、消費のニーズはまだまだあるのだなと思って。もっともっといろいろなことを学んで知識を付けて、社内はもちろん、外販の商談にも望みたいなと思います。外販はグループ内の仕事とはまた異なる緊張感があるのですが、せっかく私に任せてくれている期待に応えたいですし、進化しながら、魅力ある提案を続けたいです。

リノベーション物件でのインテリアの提案。

デザインが持つ力ってすごい
グラフィックデザイン 西川 真理さん

一度飲食店に就職をしたのですが、デザインの仕事がしたいなと思い立って、大阪市立デザイン教育研究所に入学しました。飲食店が忙しくてお金を使う時間もなかったので、そこで自分で貯めた資金で学校に通い、みっちり2年間勉強に集中しました。小学生の頃から絵を描くことが好きで、教室の隅で絵ばかり描いていたのでクラスで“モナリザ”と言われていて(笑)、みんなの自由帳に描いてと頼まれたりしていました。

ワールドとの出合いは、大阪市立デザイン教育研究所と当時の大型ストア「フラクサス」で産学連携を行っていた時に参加したことです。ショッピングセンター内の「フラクサス」前の広場でモニュメントを作成するいうものです。その後、産学連携を手掛けていたワールドのVMDの先輩にも声を掛けていただき、縁があってワールドに入社しました。

ワールドではまず「シューラルー」でVMDを担当しました。学校ではグラフィックデザインを学んだのでVMDはまた1からのスタートでしたが、規模の大きいブランドで学ぶことは多かったです。その後CMCでインテリアを2年、ベテランの先輩たちに付いて行いました。今は、WSSでも外販のブランディングとして他社様の案件を持っているほか、一部社内のブランドも手掛けています。既に魅力的なブランドが多く、「このブランドの魅力をもっと伝えるには」を考えていくことが、やっぱり楽しいです。大手スポーツメーカー様もありますし、たとえばそのメーカー様がポップアップを行う時のアートディレクション、グラフィックも手掛けます。

私は、「好き」という気持ちやファーストインプレッションを大事にしています。「好き」「嫌い」「楽しい」、そこから何でだろうと考えていく。それは仕事でも同じで、もちろん「好き」という気持ちや提案が全て通るわけではありませんが、そこから相手の好きなものに歩み寄り、どうやったらもっと面白いものができるか考えていきます。

お店や街ももちろん見ます。前情報無しで物を見るのが好きで、最近印象的だったのは、たとえば南青山にある「SKWAT(スクワット)」。都心の空き物件を占拠してその場所に適したアートや設計を展開する集団の店舗なのですが、コンセプトや空間の「隙間感」が面白いなと思いました。あとは、好きな街、蔵前にある「菓子屋シノノメ」。最近店舗を広げている人気店なのですが、店や商品はもちろん、Instagramで表現する世界観も素晴らしい。視察も街歩きも、基本は自分の好きなモノしかみていません。自分の好きなものを知らないと人の好きなものはわからないと思っていますし、好きなものや面白いことを見つけながら、仕事もしていきたいと考えています。

一方で、子育てに専念するうちに自分の好きなもの、好きだと感じられるものが出てこなかった時があったんです。その時、また好きなものを見つけようと、しばらく絵は描いていなかったのですが、色鉛筆で描きはじめました。そうしたら楽しくて時々書き溜めているんです。

手掛けた「ボーテ ド オペーク」のロゴ。
「リフレクト」20周年のアイコンも。

久しぶりに描きはじめた、色鉛筆作品の一部。

クオリティを保つ、ワールド流のベストソリューションを 
購買コンサルティング 水谷 真紀さん

新卒から、事業マネジメント部の前身である計画管理部で、事業管理やコストに関わる仕事をしてきました。その後組織変更と共に購買部へ、そして分社化によりWSSにおけるプラットフォームのひとつ、購買コンサルティングに携わっています。当初から業務自体は繋がっているのですが、WSSになり、営業も担当をすることになりました。これまではワールド内のコスト低減でしたので、自分自身で営業を行うのは初めてなんです。まさか自分が営業をするなんて思いもしませんでしたが、お客様にも恵まれて、良い仕事が行えています。メンバーは自分も入れて東西で3名、2名の先輩達はベテランで、教えて頂くことは本当に多く、私は主に関西の企業様を担当しています。

ワールドが行う購買コンサルティングの礎は、グループ内でコスト低減をした経験にあることがポイントです。自分達で徹底的に行ったノウハウを、他社様にお伝えしていくことで説得力が生まれるだけでなく、ワールドグループならではの、クオリティを落とさないコスト低減の最適解の提案が可能です。たとえば電気料金、ビルメンテナンス費用、コピー代や事務用品などの消耗品、キャリーバッグなどの資材、固定・携帯電話まで、あらゆるコスト削減に対応可能で、専門的な分野では、協業しているコンサル企業様に知恵を借り、知見を深めながら、結果を出せる方法を模索します。

発足当初は、飛込で多数の営業をしていましたが、やはり成約率が高いのは、ワールド内の人脈を活用してお声掛けするものです。そういった意味では、業界内外に様々な人脈を持つ方が多いワールドグループの皆様に助けられ、今や同業他社だけでなく、製菓メーカー、運送会社、スーパーまで多種多様な実績をつくることができました。自分の知り合いにも営業をして喜ばれているんですよ(笑)。

営業をしてみて大切だと思うのは、やはり自分自身が理解を深めること。理解が浅いと説得力ある説明ができないですし、安心感を与えられませんよね。未経験の案件にぶつかった時は、イチから学んでお客様に提案をするのはしんどい。だからこそ、自信をもって提案できる案件がどんどん増える事がこの仕事のやりがいなんです。

この時代は、どの企業もコスト意識を持っている中に、更に営業をかけていくのです。ただ、自社内でなく、我々のような第三者の視点で捉えることで、さらに削減余地が発見できるケースが多々あり、お客様にお見積りの段階で驚いて頂けることが多いんです。また、完全成功報酬なのもお声掛けし易いポイントになります。私たちはよく、購買コンサルティングは焼き畑農業だと言っているんです。同じ会社で同じことはできないので、どんどん新しい案件を掘り起こす必要があり、新規開拓をしていかなければなりません。

コロナ以降は、営業はリモートも交えて行います。最初にもお伝えしましたが、お客様にも恵まれ、また自分の中でも営業のコツやペースがつかめてきました。これからもワールドらしい営業でお客様を広げていきたいです。

提案できる案件がどんどん増える事がこの仕事のやりがい。

                          

ステートメントはアパレルと同じ。もの作りの現場と共に成長   建装部 建装課 山田 英太郎さん

ワールドには中途で入社して12年目、それまでアパレルの他、什器やディスプレイデザイン、映像など複数の企業を経て入社しました。現在は、外販とワールドグループ内のブランドの両面で、什器・家具製造に携わっています。

ワールドグループ内のブランドは、皆さんご承知の通り、店舗の什器になりますが、外販ではホテル、飲食、またコンペティターでもある他社アパレルまで、幅広く什器や家具の納品をしています。我々は黒子なので、お取引先様の名前は出せないところも多いのですが、誰もが知る有名な小売企業の什器のほか、米国大手カジュアルチェーンの什器、アパレルメーカーでは要となる旗艦店の什器まで、名前を挙げれば驚かれるほど、本当に幅広いです。割合で言うと、今はホテル関係が多いかもしれません。というのも、ホテルに関しては約200室以上ある規模の仕事を行っています。ホテルは客室内の家具をメインに、エントランスやロビーなどの共用部のソファやカウンター、館内のレストランやカフェまで、家具を中心にあらゆる対応が可能です。

なぜここまで領域を広げられたのかというと、ワールドグループの店舗の什器を、コストを削減しながらも、世界観やクオリティを大切にしてきた実績があること。また中国の協力工場とおよそ10年かけて築き上げた信頼関係があります。これらの業務は、アパレルとは別世界と思われがちですが、根底にあるのはワールドグループのステートメントと同じなんです。アパレルではないけれど、やっていることは同じ。世界観や品質を大切にしています。

現在中国の工場は上海と南通の2か所にあります。コロナ以前は多い時で1年の四分の一ほどは、現地に出向いていました。中国での生産背景とコストを強みに、およそ10年をかけて皆の協力を得ながら日本国内での生産にも勝てる品質、スピード、安全基準、日本のお客様のニーズを満たす細やかな感覚を創り上げてきました。もちろん失敗や試行錯誤も都度繰り返しながら、現地のスタッフも、そして我々も共に成長してきた。什器も家具も1つから生産可能という柔軟性も強み。また発注から最短約2週間で物づくりをし、約1週間以内で納品ができる。これは国内での生産よりも早いんです。年初のコロナ禍においても、お取引先様に納期遅れを起こしていないんです。モノづくりの現場を押さえているので、できないことはないんですね。

コロナ以降、ホテルを中心に需要が減る可能性はあるでしょう。でもこの状況に対しても培った強みを礎に、生き残る術は持っている。そういう意味でも、この什器・家具製造販売を早くから手掛けてきたことは良かった。トランスフォームができ、攻めることも受けることもでき、また業界を超えて、新しいことができるタイミングに来ていると思います。

共にクオリティを高めてきた、中国の協力工場

幅広い空間デザインに対応。左)宝塚歌劇の雰囲気を演出した宝塚ホテル 
右)新しいオフィスのニーズも高まる。東急不動産 道玄坂オフィスビル

WSSのビジネスを支えているのは、人材
(株)ワールドスペースソリューションズ 社長 渡辺 一史さん

ワールドグループは、現在に至るまで数多くのブランドを創り、店舗を創り、事業を創ってきました。ワールドスペースソリューションズ(以下WSS)は、このワールドの長い歴史の中でグループ内で培われた経験やサービス、技術を活かして、社外に向けてビジネスを展開しています。そして事業内容は、空間デザイン、店舗デザイン、VMD、グラフィックデザイン、什器・家具・備品の製造及び販売、コスト削減に向けた購買コンサルティングと多岐にわたります。

WSSのビジネスをグループ外に展開していくにあたり、社外のお客様に事業内容をご説明させて頂くと、「アパレル企業のワールドさんがそんなビジネスも展開しているのですか!?」と最初は驚かれます。

しかし最近では、初めは驚かれていた異業種の方々からのお仕事も増加しており、同業も含め一度お仕事をさせて頂いたお客様からは再発注も増え、評価されるようになってきました。変化に対応し、新しいことにチャレンジし続けたワールドグループのDNAの力が成果につながり、今日の評価につながっていると感じています。

このWSSのビジネスを支えているのは、人材です。

先日、WSS自体を今後ブランディングしていくにあたり、 社内の若手メンバーにコンセプトワードをいくつか出してもらいました。その中の一つに“おもしろい船が集まる港”というコンセプトワードが挙げられていました(笑)。WSSのメンバーは様々な技術とノウハウを持っており、個性あふれる魅力ある人材が集まっているので、うまく表現するなと感じました。

今後はメンバーの力をさらに結集させて新しいサービスや商品を開発し、機能を強くしていくことで、さらにグループに貢献し、社外に対してのビジネスの拡大にもつなげていけると感じています。現在、コロナ禍で世界中が大変な状況下にありますが、この大きな変化を逆にチャンスととらえて、現状の事業領域に留まることなく、メンバー一丸となって、新たな領域にも船出していきたいと思います。

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