未来をつくるデジタルプラットフォーム×次世代クリエイション ー/パート2

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ワールドの成長戦略の大きな柱の一つ、デジタル事業。ファッション業界の移り変わりと共にファッションとデジタルの関係はどう変化し、どう進化していくのでしょうか。今月の特集は、「未来をつくるデジタルプラットフォーム×次世代クリエイション」と題して、ワールドのデジタル事業について3回に分けて掘り下げていきます。パート1では、Dビジネスユニットのメンバーにこれからのワールドのデジタル事業の戦略や背景について伺いました。

パート1はこちら

パート2では、ワールドグループでデジタル事業を担う株式会社ワールド D-GROWTH戦略本部 副本部長 兼 Dビジネスユニット ユニット長 池上貴尉さんとbig株式会社 代表取締役社長の中島真さんの対談をお届けします。

右)big株式会社 代表取締役社長の中島真さん
左)株式会社ワールド D-GROWTH戦略本部 副本部長 兼 Dビジネスユニット ユニット長 池上貴尉さん

昨年6月にワールドと資本・業務提携をしたクラウドファンディングプラットフォームを運営するCAMPFIRE社。その関連会社であるbig株式会社は、今年8月、ワールドと共に北青山ビルで国際的ファションコンペティション「bigデザインアワード」を開催しました。

bigデザインアワードレポート

bigデザインアワードのプロジェクトローンチ前の互いの印象と、そこからの変化はありましたか?

中島: 今回のプロジェクトでご一緒する前、もっと言うと私がCAMPFIREに入る前ですので数年前になりますが、当時からワールドの方とは数名つながりがありました。当時はその方々を通じたイメージになりますが、アグレッシブな印象がありました。アパレル企業の中でもデジタル事業への取り組みも早かったし、チャレンジングな企業なのだな、と。実際にご一緒するようになっても、いい意味でギャップはなくて、僕らと近い感覚を持っていると感じています。

池上:そうだったんですね。私にとってCAMPFIREは、個のクリエイターや新しく何か始めたい人がこんなにいるということを意識するきっかけをつくってくれた企業なんですよね。CAMPFIREのプラットフォームを使って自己実現ができ、応援し合うことができる。これってすごいことだと思いましたし、そもそもクラウドファウンディングを知ったのもCAMPFIREがはじめでした。これから個のクリエイターが活躍する時代が来るんだと強く思ったことを覚えています。

中島:実際に取り組みを始めてからこれまでで感じているのは、「すごい」ということ。そうとしか思っていないんですよね、ほんとに。全面的にすごい。

池上:うわ、うれしいです。誉め殺しですか?(笑)

中島:いやあ(笑)。自意識過剰と言われるかもしれませんが、ベンチャーって俗っぽいというか、自由気ままそうな感じがするじゃないですか。それをワールドはフラットに受け止めてくれるし、もっと言うとおもしろがってくれる。リスペクトされている感じがあってうれしいですし、サポーティブなのでとてもやりやすいです。あとは、オリジナルスティッチとご一緒しているところとかをみても、やはりドラスティックに事業を展開していく会社なのだなあ、と。他社がなかなかやれないことをスピード感をもって軽やかにやっていく。そこもすごいですよね。

池上:私からみても、CAMPFIREもbigも、全部すごいんですよね(笑)。それぞれ言うと、まず、CAMPFIREにおいては家入さん(代表取締役社長 家入一真氏)の絶対的なすごさはありますよね。全ての事業においてブレない。一貫して個のクリエイターを応援し、その人らしさを活かしていくことに取り組んでいらっしゃる。圧倒的なカリスマ性があって、言うなれば伝道師のような存在でもあります。その家入さんをしっかりとサポートする中島さんをはじめとするスタッフの方々のスキルの高さ、人間力の高さ。このスピード感で様々なプロジェクトを同時に走らせることができるチームワークの良さはすごいものがあります。そしてbigについてですが、こちらは中島さんの存在がやはりすごいなぁと思います。コンサルティングやベンチャーでバリバリやってきたバックボーンを持つ中島さんですが、穏やかな人柄でありながらとても熱いものを持っていて、その熱量にたくさんの人が集まってくる。あれだけ大きなインパクトのあるグローバルイベントを短期間でやりきった実行力は本当にすごいと思いますよね。あとは人徳。中島さん自身がクリエイションに強く、アートに精通していて、クリエイターに対してもリスペクトがあるんです。だからクリエイターの方々は中島さんのことをとても信頼しているし、その上で一緒にビジネスを組み立ててくれるリーダーシップについていく。そういう意味でもbigの取り組みは、実行力に加えてクリエイターへの共感力と包容力がある中島さんだからできたのだろうな、と思っています。

中島:ん、包容力?それはやわらかそうってこと?七福神的な?(笑)

池上さん:いや、そっちじゃなくて、“やわらかなリーダーシップ”という意味です(笑)

■一緒に取り組みをする上で、大切にしていることは?

中島:今、bigで取り組んでいるのはbigデザインアワード自体の開催・運営とそれに発生するデザイナーのサポートが中心です。このアワードが他のファッションショーやコンテストに比べて重視し大切にしていることは、ものそのものの価値やクオリティです。なので、その部分をどう表現するかや、選抜されるデザイナーがどうやったら活躍できるのかということは、模索中ですが最も気にしていることです。ファッションの世界の流れで言うと、マーケティング重視で売り切って、儲けてといういわゆるファストファッションの流れがあったと思うのですが、bigのアワードで大切にしていることはそれに対するアンチテーゼというとわかりやすいかもしれません。シンプルですが、「いいもの以外はいらない」ということだと思っています。

池上:そうですね。ワールドがbigの取り組みにおいて意識しているのは、これまでのアパレルのルールを押し付けないということでしょうか。クリエイターの方が何をしたいのか、それに対してワールドが持っているノウハウや人などのプラットフォームでどうサポートできるのかというように、主語はあくまでもクリエイターにあって、それをどう支えられるのかということを大事にしています。

中島:似たような話として、アワードではワールドでは絶対やらないようなことをやろうとは思っています。そうでないと意味はないと思っていますので。

池上:その活動にワールドがどう関わり、さらにそこから社内で自分もクリエイターとして活動したいという人が出てきたらおもしろいと思っています。

中島:この記事でどーんとくるかもしれませんよ?

池上:そうだといいですよね(笑)。あと、自身がクリエイションするというだけではなく、ワールドで培った自分のスキルを活かして、クリエイターと一緒に活動したり、サポートしたいというメンバーはたくさんいると思うんですよね。そういうことができるようになるといいですよね。

ファッション業界のおもしろさってなんだろう?

中島:ファッション業界のおもしろさにつながることですが、今、一番おもしろいと感じているのはジェネレーションZ世代の話です。マーケティングにおける世代の話ではなく、もっと根源的な話なのですが、今後は全く違う価値観で新しい世界になっていくのだろうな、と思っています。根本的にそれも不可逆的に。例えば、Z世代にとってはサステナブルであるということは当たり前中の当たり前で、わざわざ言葉にすること自体がはずかしいということになります。そうなった時、ファッションというのはテーマとしてとてもおもしろいなあと思います。全てにおいて、今後サステナブルであることは前提のエチケット。その上で何を表現できるのかということを一番やれるのはファッションなのかな、と。それってめちゃくちゃおもしろいですよね。ファッションは今、時代とタイミング的にすごくおもしろいと思っています。

池上:そうですよね。ファッションだけのことではないと思うのですが、サステナブルであるというところにお客様の意識が高まっているのは肌で感じますし、実際RAGTAGなどのリユース事業が伸びている動きからもお客様の意識がシフトしているのを感じます。サステナブルが当たり前という前提の上でものをつくっていくスタートアップと既存事業をどう連携し、段階的にシフトしていくのかは今後の課題の一つだと思います。今、注目を集めているオフプライスストア業態の&Bridgeやファッションのサブスクリプション事業をはじめ、循環させていく事業もスタートしています。既存事業といい形で親和性を持たせていく取り組みは、大変ですがとても楽しみな領域です。

>>お二人のお話は、ここから今年の夏に開催されたbigデザインアワード、そして、11月末に開催されたbig Collective Impact talkなど具体的な取り組みの話へと続きます。続いてはパート3で。次回もお楽しみに。

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