WORLD for the World
~コロナウイルス対策支援~
想いをのせて、一日でも、一時間でも早く

好き

2020年、東京で56年ぶりのオリンピックが開催するはずだった今年、新型コロナウイルスの世界的流行により多くの尊い命が失われ、現在も拡がり続けています。

ワールドグループはスタッフの健康を守ることを第一にしながら、可能な限りの企業活動を続け、新型コロナウイルス対策支援の取組みとして、医療用ガウンとマスクの生産を開始しています。

ワールドグループの新型コロナ対策支援

今回は、その陣頭指揮をとっているワールドプロダクションパートナーズの大峯伊索さんに、取組みの経緯と想いについて伺いました。

(株)ワールド グループ上級執行役員
(株)ワールドプロダクションパートナーズ 社長 大峯 伊索

コロナ禍で、まず、我々に何ができるのかを考えた

私たちは、過去2度の震災を乗り越えてきました。神戸に本社を構えるワールドとしては、阪神淡路大震災も鮮明に記憶に残ります。コロナウイルスは、これらのインパクトに匹敵し、なおかつ世界規模のもの。緊急事態宣言下で、店舗が次々と休業していく中、幹部の一員として、我々に何ができるのかを考えました。まず第一は当然、従業員の健康を守ること。その次に社会貢献を視野に入れて、BtoC、BtoBの両面でマーケットに対して幅広く、ワールドグループのリソースを活かし、市場で品薄となっていたマスクや、医療現場で圧倒的にガウンが足りていない状況に対応しようと考えました。

国内の直営工場から届けたい

まず取り掛かったのは、医療用ガウンの生産です。昨今、海外生産に依存する企業が多い中、国内にサプライチェーンを持っているのは我々ワールドグループの強みであり、まさに社会貢献として活用する意義もあります。コロナ禍の工場においても生産枚数が減っていく中で、我々の手、そして培った技術を使って“貢献したい”、“つくりたい”という想いと気運は高まり、ワールドプロダクションパートナーズ(以下WP2)の皆と一致しました。医療用ガウンは当然、縫ったこともなかったのですが、ラインを切り替えて「Made in Japan」のガウンを生産しようと決めました。

1日も早く、1時間でも早く

決めたからには、とにかくスピードを重視し、また間に誰かを介すことでのコスト等も考慮し、経済産業省、厚生労働省と直接交渉を進めました。

危機に向かう時はもちろんスピードが求められます。日々のニュースで報道される、切迫する医療現場の様子を見ながら、とにかくスピード優先で早く、早く届けようと、関係者全員で一気呵成に走りました。

まるで戦時下のような状況で働く最前線の方たち。神戸本社の隣には、我々の仲間ともいえる市民病院(神戸市立医療センター中央市民病院)もあり、間近に物資不足が迫り、苦しんでいる様子が感じられました。よく「1日でも早く」といいますが、私は特に、有事は「1時間でも早く」と思って仕事をしています。とにかく、すぐに届けたかった。

経済産業省、厚生労働省とも直接交渉をしたと言いましたが、今回は政府、そして社会と一体となってまい進したと思っています。我々はガウンの納品時に、「ワールドの想いをのせて、届けたい」という気持ちで、お届けするパッキン(段ボール)に、私の名前入りのお手紙を入れています。医療従事者の皆さまに向けて、商品を届けるだけでなく、労いの言葉とともに、工場のメンバー全員を含むワールドグループのメッセ―ジとして伝えたいという気持ちを込めました。

安心の品質で、生産を開始

アイソレーションガウンという言葉を、今回初めて聞いた方も多いと思いますが、ガウンにはいろいろな種類があり、防護服やサージカルガウンは、規制や基準が厳しいもの。今回我々が手掛けるアイソレーションガウンは、一番身近で枚数が多いものになります。冒頭にもお話しましたが、我々の工場ではもちろん医療用ガウンを縫ったことはありません。今回、素材は三井化学株式会社の原料を使い、帝人株式会社のパターンを提供頂きながら、日々ワールドの商品を手掛けているモノ作りのプライドをかけて、生産を開始しました。

生産~納品に向けてのハードルは最初から高かったです。4月中旬くらいから、商談と交渉に入りその後すぐ動いたものの、何しろ医療の現場でガウン不足がひっ迫していて、5月15日までに納品して欲しいと強い要望が入りました。不良品を絶対出してはいけないし、出さないという強い責任感とともに、5月15日までに33,600枚を納品しました。工場はまさにフル稼働。スタッフは本当に頑張ってくれました。その後5月末までに70,000枚を超える生産をしています。

工場での生産と並行して、神戸市立医療センター中央市民病院には手持ちで持って行きました。とにかく一刻も早く届ける必要がある。病院はそれほど困っている状況でした。“神戸のワールド”として、淡路の工場で作り、すぐにでも現場に届けたいと皆で奮起しました。ニーズがあるその品を、今まさに縫製しているという気持ち。大変だけれど、ものすごく有意義な仕事です。

多様なニーズに応える3種類のマスク

品薄が続いていたマスクの販売に伴い、まずは購入いただくお客様を想定しました。ワールドグループの既存ブランドは、ミドルロワーからミドルアッパーまでで。その中心となる顧客様に提供するために、価格や機能を鑑みて、まず三角形のMDを組み、3種類のマスクを展開しています。一番の売れ筋である「洗える抗ウイルスマスク」は日本製の安心感も効いてキッズ、幼児用も人気に。次いで抗菌防臭加工技術を施した 「 ポ リ ジ ン 」布マスクはWP2の駐在員事務所があるバンコクで生産するなど、グループで培ったノウハウを集結しています。

コロナ禍において、世界中で求められているマスクは、コーポレートブランドとして打ち出したかったので、発売前にその想いをグローバルで伝えるためのメッセージを考えました。複数の案がある中、社内のネイティブスピーカーにも意見を出していただき、最終的に3 種類のマスクのパッケージには、ワールドグループの想いを世界に届けるメッセージとして「WORLD for the World(ワールド、世界の為に)」という言葉のロゴを記載しています。これには、社名のワールド、ワンチーム、そして世界に発信という意味を込めています。この「WORLD for the World」は普遍的なメッセージですので、アフターコロナ、そしてこれからのニューノーマルな社会に発信する商品や取組みでも広く伝えていきたいと考えています。

営業体制もワールドグループならでは

今回の取組みは、ワールドグループがまさにワンチームとなって、それぞれの役割、強みを活かしながら、スピーディに進行してきました。先ほどお話した工場メンバーが作ったガウンを必要としている方に知っていただき、迅速に届けるために、営業についても特別な体制で動いています。まずは、ワールドのプラットフォーム事業推進室とWP2、そして特殊部隊と私が呼んでいる、上山社長、総務の仁王さん、私の3人から成っているチーム。とにかくブレストを重ねました。話す中でアイデアも広がる。たとえば、自分が住んでいる近所の百貨店の地下食品売り場がオープンし、訪問した際、当社のアイソレーションガウンは従業員の衛生管理にも使えると痛感しました。実際に大手百貨店様からの受注も決まっています。さらに上山社長には人脈をフル活用いただき、様々に広げていただきました。また総務 仁王さんには本社がある兵庫、神戸において多くの打診から、受注に繋げていただきました。仁王さんには先日、関西テレビの「報道ランナー」で放送された納品時のニュースでもインタビューを受けていただいています。アイソレーションガウンは汎用性にも優れており、日常を見渡せば、いたるところで役に立てるような活用シーンが広がります。この活動は、ワールドグループにそもそもプラットフォームがあることが大きな強み。法人営業も本格的にスタートした今、更に強化をしていきます。

グループ全ての知恵を形にし、世界に向けて発信する

我々には何でも作ることができ、発信できるという気持ちが大事です。これからの分析になると思いますが、専門家の間では、現時点で欧米諸国に比べて日本のコロナウイルスの感染率が低いことには生活様式が関連しているのではないかという推測もあります。たとえば、日本では家の中では靴を脱いで生活をしますが、欧米諸国は靴のままで家屋に入るという大きな違いがあります。靴に付着したウイルスを外から家の中に持ち込まないという点で、今後日本の靴を脱ぐ文化が注目されるかもしれません。冒頭にも「Made in japan」を発信と伝えましたが、モノと一緒に日本文化そのものも伝えるような事業や商品にもニーズはあります。そうなったとき、多様な商品をつくり、販売することができるワールドの総合力が真価を発揮し、幅広い展開ができます。ワールドグループの真ん中には、“ファッション”があることは間違いありませんが、ファッションのみにとどまらないことこそが強みでしょう。

既に進めているガウンやマスクについては、今後刻々と変わりゆくマーケットから、どんなニーズが出てくるか、さらにアイデアを出していきたいと思います。ワールドグループは、業態も広がり、新たなデジタル、また米国をはじめ海外市場に長けたメンバーも入り、「思いをカタチ」にすることができる企業へと進化しています。これまでより、アイデアを出しやすいし、仕事がしやすい環境になってきた。アフターコロナに向けて、グループ全体で緊急事態宣言があけた後も、all the “world”で自ら変化する力とスピード感で乗り切りたい。これらは、我々の部隊だけが行うものではなく、皆もアイデアを出すことができるし、出してほしいと強く思っています。今できることに全力投球。私の仕事のモットーは「明るく、楽しく、厳しく」。皆でアイデアを出して、次に向かって。

携わったメンバーはもちろん、地域、社会とも一体感を感じた

最後に、この短い期間で、初回の5月の納品、そして今週、現時点も一緒に戦ってくれているWP2および全工場のメンバーに感謝の気持ちとエールを送りたいです。グループとしてやり甲斐に満ち溢れながら仕事ができました。兵庫県の井戸知事をはじめ、お礼の電話もいただいており、納品の都度、そしてマスクをお求めいただくお客様にもこの気持ちを伝え続け、社会と一体感を創りたいと考えています。

緊急事態宣言は一旦解除となりましたが、予断を許さない状況に変わりはありません。ですが、この状況下はワールドグループがさらに一体となるための機会でもあると思います。走り続けましょう、皆で。

Comments

  1. Akira Ejima より:

    5月末のマスクの生産枚数が間違っていないでしょうか?
    7万枚では。

    • user より:

      コメントをお寄せいただきありがとうございます。
      本記事内では、ガウンの生産枚数については記載しておりますが、マスクについての表記はしておりません。
      また気になる点がございましたら、本コメント欄もしくは編集局あてにお知らせください。
      moving@world.co.jp
      編集局

      • user より:

        Akira Ejimaさん
        たびたびのコメントにて失礼いたします。
        記事内ご指摘頂いた箇所ですが、「70,000万→70,000枚」に気づかず失礼いたしました。修正いたしました。
        今後ともよろしくお願いいたします。
        編集局

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